それでは、また明日。  





キライだった、ダイキライだった。


九尾なんて ダイキライ……だった。



私の大事なものを全部奪っていった。




当時三歳の私は死に際に両親が残した最後の言葉を今でも覚えている。


"また、明日。"


そして死んでいった。

なぜ両親は私にそんな言葉を残したのか。



なぜ―――……。







ガラ…


「噂をすればやってきたわね。じゃ、私は席をはずすから。くれぐれも病室を抜け出さないこと!!いいわね!?」

そう言って私の返事を聞かずに出て行ってしまった。


どうしよう……何か自覚したらとたんに恥ずかしくなってきた!!


上手く……顔を見れない。



「……ナル「俺はずっと自分の中の九尾が嫌で仕方なかった。ずっと里の連中から嫌われてて時には暴力を振るわれて…。
父ちゃんと母ちゃんはどうして俺にこんなものを、って何度も思った。」

「……。」

「俺を里の嫌われ者にするためにこんなことしたのかと思ってたけど……里の連中に、俺を九尾を受け入れてくれた英雄だと思って欲しかったって聞いたときは驚いた。
それ聞いて……あぁ、俺ってば愛されてたんだって思った。」

「…そうだよ、誰がなんと言おうとナルトは木の葉の英雄だよ。」


いつも自分の行動に自信たっぷりで、どんなこんなにぶち当たろうとも決して最後まで諦めないで……。

「けど、俺がそう思えるようになったのは姫のおかげだ。」

「……!?」

「事実を聞いたのは父ちゃんや母ちゃんからだけど…それを知っても結局俺が一人なことには変わらないって思ってた。
……俺を思ってくれてた親すら、俺は信じることが出来なかった。
でも、姫が俺の中の九尾を憎まないって言ってくれて……まっすぐ"俺"自身を見てくれて、気付けたんだ。」

「私…何もしてない。」


どちらかと言えばナルトから気付かされたことが多いのは私のほうで…。

「それにね…っ、私ナルトに伝えたいことがあって……!!」

今言わなきゃきっと一生いえないだろうこの気持ち。


「私、ナルトが…「好き。」……え?」


ちょっ…何で今私の考えがわかったんの!?エスパーなの!?


「こういうのは男が言うもんだろ。…俺は姫が好きだ。アカデミーで俺に手裏剣をくれたときからずっと……俺は姫に恋してた。」


「…っ!!うそっ…。」


アカデミーの手裏剣って……だって…!!


「あ…あの後の私たちなんかケンカしかしてないよ!?」

「っ…それは、姫が俺に突っかかってくるからだろ!」

なっ…何で私のせい見たくなってるのさ!!ナルトだって散々突っかかってきたくせに!!


「何それ!?だったら何でもっと早くに言わない「お前がシカマルばっか見てるからだろ!!」


………あ。


「ったく。…勝ち目もねぇ勝負に出れるほどあのときの俺は強くなかったんだよ。
今ならシカマルから奪ってでも俺のもんにするけどな。」


そうだ、忘れちゃいけない。私はずっとシカマルが"好き"だったんだ。


たとえそれが"憧れ"だったとしても……。



少なくとも私は――……




「…ごめん。」

「別に。…で、返事は?」

分かってるくせにこういうことをするんだから確信犯だよなぁ…本当ムカつく。


「………好き。」

「知ってる。」


それだけ言うと不意にベットに重みを感じて前を見れば目の前にはナルトの顔があって……



「ちょっ「黙っとけ。」






その距離 0センチ。




「……んぅ!?」

逃げようにも私はベットの上。ついでになぜか私の後頭部には手が回っていて……動くことすら許してもらえない。



……苦しいっ!!


「ん…ちょっ……んぅ!?」

酸素を求めて口をあければ容赦なく入ってくる気持ちの悪いソレ。

ナルトの舌だと認識してしまえば恥ずかしさ倍増な訳で……。



「はぁ…っ、んっ…ちょっ…。」


ちゅっ、っとリップ音を残して離れるナルト。

診ればそこにあるのは意地の悪い顔をしたナルトで……。



「くくっ…こんなんでばててるようじゃ先が思いやられるなぁ。」


くしゃっと私の頭を撫でる。

やっぱり私、ナルトの手好きだなぁ……優しくて暖かくて。


あぁそうだ、お父さんやお母さんやおばあちゃんに報告しなきゃ。


「私、今幸せです。」

「……いきなりなんだ?」

「ううん、何でも。」


ガラ…



「……あら、あんたたちそんな体勢ってことは……上手くいったのね。
なら御取り込み中悪いけど姫の面会謝絶が綱手様から言い渡されたわ。…色々隠してたことがあるみたいだけど全部ばれたみたいね。
だから姫にはこれから色々聞かなきゃいけないことがあるからナルト、かえって頂戴。」


っち、あのババァ余計なことを……。


「……分かった、ってば。」

せっかくやっと結ばれたと言うのに……仕方ない、か。


「あ、それと。本当は言うつもりなかったけど、いつか本当のあんたのこと教えなさいよ!」

「!!」


案外、サクラは見くびれないな。


「……サスケよりもサクラのが恐ろしいな、こりゃ。」

「何か言った?」

「いいや。…ま、いつか話してやるよサクラちゃん。……それと姫。」

「何?」



今度はもう 約束を破らない。



もう二度と 姫の涙なんて見たくない。





「また、明日。」


「!!」

「今度は約束、守るからな。」

「ほんと…?」

「ばぁーか。忍はできねー約束なんかしねーんだよ!」





だから 笑ってろよ?






今日も…


明日も……



その先も。







それでは、また 明日。






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