教えてやる。
「暇だなー、修行したい…。」
サクラに強制入院させられてから早2日。さすがにすることもなく一日寝ているだけの生活にも飽きてきた。
「…ちょっと位ならいいよね?」
30分だけ……散歩してたって言えばいいよね。
*
「姫ー、ちょっといい…っていない!?」
どうしてちょっと目を離すといつもどっかいくわけ!?
「…サクラちゃん?姫の病室の前で何してるんだってば?」
「ナルト…っ。姫が病室にいないのよ!」
その言葉の先は覚えていない。
「いない」…立ったその一言だけを聞いて俺は病院を飛び出していたから。
「あのっ…ばかが!!」
*
「わぁー、ここ懐かしいー。」
昔サクラとサスケとカカシさんでよく修行してたなー。
……あれ?でも確かもう一人、いたような……誰だっけ?
「にしても昨日一昨日と来た人たちは一体何なんだろ……私のことよく知ってる風だったけど。」
昨日来たシカマルは「友達」でしょー、なら一昨日の人は……
「っ!?」
なぜだろう…シカマルを思い出すことに苦痛は伴わないのに一昨日の金髪君は思い出そうとするだけで頭が痛い。
「…はぁっ、でも金髪君と手裏剣の子ってどっかにてるんだよなー。」
"っち、思ったよりも副作用がひどかったみたいだな。"
「っ、誰!?」
今、変な声が……どこからっ。
"しかもご丁寧に俺まで忘れる封印死期を組み込むとは……あのジジィ、やってくれる。"
「忘れる…?あなたは私を知ってるの!?それに封印って一体……。」
訳が分からない上に気配がどこから来ているのか全くつかめない。
「何なのよもーー!!」
*
「ナルト。」
「…シカマル。」
「さっき病院に行ったときサクラから聞いた。」
2日連続で姫の元を訪れる予定はなかったがいのが見舞いに行くと言うので付き添うことにした。
が、病室についてみれば中はもぬけの殻。サクラから事情を聞けばちょっと目を離した隙にいなくなって
ナルトが今探しに出ていると聞いた。
「姫は居場所は分かってるんだろ?」
「……昔、俺らが修行場として使っていた場所だ。」
言われて気配を探ってみれば、確かに姫の気配がする。
「……なら、早くいこーぜ。」
「あぁ。」
*
"くくっ…やっぱ面白い女だよ、お前は。"
「……は?」
いきなりなんだ?………っ!!
「この気配……シカマルと……金髪?」
"来たようだな…。騒がれるのは面倒だから眠っていろ。"
「!?」
ガク…ン
「姫っ!」
駆けつけてみればそこにいたのは気絶している姫だった。
つーか、どうしていつも見つける耽美に気絶してるんだか…。
「おい、だいじょう…"うっせーよ。"……は?」
「……姫?」
今こいつ…うっせーって。
"…俺だよ俺、カルーだ。今だけこいつの体借りてるんだよ。
お前らに真実ってやつを話すためにな。"
「真実?…そもそも何者なんだお前は。カルーなんてやつ、俺たちは知らない。」
"前にこいつが口寄せしたイルカだと言えば分かるか?"
「ちょっと待て。何で口寄せの分際で主の体がのっとれるんだよ。」
シカマルの言うことはもっともだ。…警戒してかかっておかないと姫の体が危険に晒されるかもしれない。
"黒髪、のっとるなんて人聞きの悪い言い方すんじゃねぇ。"
何か姫の声でそんな言い方されると気持ち悪いと言うか不気味と言うか……。
"俺の存在を信じる信じないはお前らの好きにすればいいさ。俺はただ真実を話すだけだ。
こいつの封印を解くためにはお前らの力が必要だしな。
まずは話を聞け。その上でどうするかなんていうのは好きにすればいい。"
そしてカルーは俺たちが知りたかった姫が記憶をなくした原因を語り始めた……。
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