思い出したのは…。  




懐かしい夢から目を覚ましてから数時間後……。



「見舞いに来たわよー。」



なぜか皆が見舞いに来てくれました。





「どうしたの?こんな大勢で。」

「姫が今回も病院送りって聞いたから皆心配して見に来たのよ。」

「今回のはサクラの強制入院でしょー。
…それにしてもこんな大勢とは……。」

今日来てくれたのはいの、チョウジ、キバ、ヒナタ、シノ、ネジー、リー、テンテン、サスケ…後は主治医のサクラ。


「…あ、カカシさんも来てくれたんですか。」

「まっ、可愛い教え子が入院したとあっては俺も放っては置けなくてね。」

「先生が言うとセクハラみたい…。」

「だなっ!…それよりも本当なのか姫。マジでナルトとシカマルの事……ったぁ!?」

「姫の前でその話は禁句って入ったわよね?」

「全くお前は……もう少し状況を見てからものを言え。」


キバが今何か言いかけたけど……何が言いたかったんだ?
いのとネジがあんなに必死に名って止めるなんて…私に聞かれたらまずい話だったのかな?

「んな事言ったって本人に直接聞いて思い出してもらうのが一番手っ取り早いだろ?」

「ふんっ……おい姫。お前この前の任務の事覚えてるか?」

「この前って……護衛任務の事?」

「あぁ。」

相変わらずぶっきらぼうだよなー、サスケの奴。
今日はいつもに増して眉間にしわがよってるように見えるぜ!……なんて。


でも、周りの皆も心なしか表情が硬いような……マジで何なんだ?


「覚えてるに決まってんじゃん。そんな簡単に忘れるわけもないし。」

「そのときに生き返りで怪我をしただろ。その理由と原因をここで今説明しろ。」

……そんなことここで話してなんか意味あるのかな?
…逆らったら面倒だから大人しく従うけどさ。


「何でそんな上からなのよ…。えーーと、行きはトトラさんを庇って怪我してー…帰りは賊に襲われたところをサスケが助けてくれたんでしょ?
自分が助けたからってそんなのみんなの前で言わせんなよなー。」


「――…っ!!」

「……。」


…って、あれっ?何で今度はしんみり顔?

「…っ、じゃあさ姫。入院中に私が外出届出したのは覚えてる?」

「……?私、入院中に外出届なんて出した覚えないわよ。サクラが外の空気水に外出してくれたくらいで。
きっと大勢の患者さん見てるから誰かと間違えてるんじゃない?」

「……ぁ、そうかもね。私ったらてっきり姫だとばっかり思ってて…。」


皆、変。

こんな大勢で私の見舞いにくるなんて言うのもそもそもおかしい。
それに…どうして殺気から私の近況ばかり気にするんだ?
さっきキバがいのとネジに怒られてたし………


皆は私に何を隠してるんだ?



「ねぇ、皆して私に隠し事してるよね?」

「そんなことありませんよっ!ぼ、僕たちはただ姫さんの青春っぷりを聞きたくて……ねぇ、テンテン?」

「え!?私?……あー…、うん。そうなのよ!
でも、そんなこと大勢の人間がいる前で聞かれたらそりゃ怪しいよね。
私たちはそろそろ任務があるからこれでお邪魔するわね。」


そういうとガイ班の皆は病室を後にした。


「じゃあ俺らもお暇するか?」

「そうだね…こんなにいても姫ちゃんの身体に障るだろうし……。
お大事にね、姫ちゃん。」

「ありがとね、ヒナタ。」

「結局、一言も喋っていない。」

「あ!忘れてた!チョウジ!アスマ先生の見舞いも行かなきゃ!!」

「そうだね。…じゃあ僕たちは病院に入るけどここは離れるね。」

「また来るからね!」

「そんなころには退院してますー。」


そういって次々と帰っていってしまう。


「…サクラ、話がある。」

「……サスケ君?」

「お熱いねー。さっさと行きなって!」



そしてついには一人ぼっちに……。




「もー店騒ぐだけ騒いで帰るのは皆同時とか……何なのよ。
もうちょっとくらい誰かいてくれたっていいものを…。」


つーか結局私の近況聞いて終わり!?何のためのお見舞いなのよ!


「サクラとサスケも行っちゃったし……。恋、かぁー。私も恋したいなー!」


……あれ?なんか変だな。


「私つい最近までとても大切な人がいた気がする…。誰だっけ?」


――…ふいに頭の中に映像が流れ込んでくる。


夜の木の葉、病院の屋上。



これは………私が口寄せたモノ?


でも、確かにずっと昔……私が幼い頃から知ってる……確か――…



「カルー…?」



そうだ、カルーだ。

それであの日、確かカルーが暴走して森へ入って……


それでー―……







「……何だっけ………つぅ!!?」



頭が、割れるように痛い。まるでここから先を思い出すことを許さないかのような……そんな痛み。




「……はっ、…金髪と……黒っ、髪。」









そしてまた意識を失った。











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