逃げるが勝ち。
「ナルト……それにちょっと後ろにシカマル?」
「何者だと聞いておるっ!!」
正直なんで助けに来てくれたのがこの2人なんだ。
ナルトとはケンカして正体知ってからまともに話してなくて……
シカマルに至っては顔すら見れない。
死ぬ思いしてるときに何を言うんだって話だけどさ……正直、これなら助けなんていらないよ。
それにナルトとは――……。
「姫っ!ボーっとしてんな!」
しまったっ!助けが来たからはい安心なんてわけないのに…っ。
チャリ…
「動くな、少しでも動けばこいつの命はない。
お前らが今いる場所から一歩でも動けばその下に埋め込んである起爆札が一斉に爆発する。
もちろん、この女の体のいたるところにも起爆札がついている。
殺されたくなければ大人しくしてろ!!!」
おおぃ!なんてことしてくれちゃってんのライラぁ!?
つまり私が脱出しようとしたら身体についてる起爆札と地面の起爆札が爆発してお陀仏ってわけか。
助けに来てくれてありがとう!!!
でも弱ったな…。私は手足を鎖で繋がれてるしナルトとシカマルはあそこから一歩も動けないし……。
「…確かに、お前の言うことは間違ってはなさそうだな。」
「お前、面をしていると言うことは暗部か。
さしずめ俺と母さんの暗殺命令が出たと言うところか。」
「お前、よく喋るな。…事実だがな。」
「狐、」
「影鹿、やっと来たか。」
やっと来た、なんてよく言うぜ。
あの後本気モードで森の中駆け抜けていったのは誰だよ。
暗部総隊長の本気モードに俺が簡単に追いつけるわけねーだろ。
「まぁいい、手を貸せ。」
「?」
「手を借りたって適うわけねーだろ!?
そこからさっき見たいにクナイでも投げるのか?
そんなことすればこの女に……うっ!?」
「これは……ライト!?」
「あっ…れ?母さん、体が…動かないっ。
え!?今度は体が勝手に…くそっ。」
これってシカマルの得意忍術…影真似の術、だっけ?
シカマルはライラを陰真似の術で操り私の首元に当たっているクナイを少しずつ動かしていく。
カラ…ン
「影鹿、ついでに鎖もはずしてやれ。」
「了解、姫、動くなよ。」
そう言われた次の瞬間にライラの手によって手を足の鎖がはずされ起爆札も一緒にはがしてくれた。
「ふぅー、これで体が動く…ってことで!」
バキィ!!
「「!!?」」
「…平気か。」
「あいつ、俺の能力の事は知ってるよな。」
影真似中は敵に受けたダメージは自分にも返ってくる。
味方なら当然知っているはずなのだが……。
「姫はバカだからな。」
「ライラ、どうしてあのときの泣き声に私しか反応できなかったの?」
「そりゃターゲット絞ってお前だけに幻術見せてたからな。」
やっぱりあれ幻術だったんだ。
あの時幻術を解いてれば今回こんなことにはならなかったか?
「そう…。じゃああの時私に言った頃場は全部嘘なの?」
「はっ、俺はアンタみたいな人間が一番嫌いだ。バカでアホですぐに人を信じて騙されて……
周りの奴らに迷惑しかかけないタイプだろ、あんた。
だから可哀想な子供なら余計同情引けると思って言っただけだよ、ばぁか!!!」
「そうね、確かに私はバカでアホで人に迷惑かけてばかりよ。
でも人を疑ってかかるより、人を信じて騙されたほうがよっぽど良い。
それで騙されて殺されそうになったって……私の仲間は何度だって助けに来てくれる。
救いようのないバカな私を…何度も。
それが木の葉の忍なの。だから私は絶対に木の葉を裏切らない。
それに、ライラがあの時言った"ままがほめてくれる"って言葉も私は嘘とは思えない。
……ママに褒めてもらえて良かったね。」
「っ!」
「とりあえず私はここから逃げるので!」
ダッ…
これ以上一秒だってあそこにいられるか!!
助けに来てもらっておいて逃げるとか最低だけど……
今はそんなこと言ってる場合じゃない!!
とにかく私は今ナルトとシカマルに合わせる顔がない。
「あのバカ…っ。
待て…「お前の相手は俺だぁあああ!!!」
影鹿の影真似で動けない奴にそんなこと言われてもな。
とは言ってもさすがにそろそろライトが切れそうだな。
「いけよ、狐。ライトが切れたってこんな奴らに俺が負けると思うか?」
さっきから言っているライトというのは影鹿の弱点を克服するためのものだ。
暗闇の中で影は出来ない。
だったら作れば良い、という考えから生まれたのが小型だが広範囲に光を当てることが出来るライト。
だが持続時間は試験段階のもので5分。
「おもわねぇな。…まかせた。」
「御意。」
そういって狐は目にも止まらぬ速さでライラとイラーの横をすり抜ける。
壁を横伝いに走れば起爆札は爆発しないしな。
「くそっ…くそぉおおおお。
…!!体が自由に動く!?」
「ハンデだよ。俺なりのな。
…ライラとイラー、木の葉の里抜けの罪によりお前らを暗殺する。」
ザシュッ
「はぁっ……はぁ。」
とにかく今は走らないと…。
シカマルはともかくナルトと会いたくない……!!
知りたくなかったあの事実を……。
だからとにかく、走って逃げるしかない!!!
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