花火とアイスと 6


冷えてた舌に咥内の熱さがちょうどいい。
焦れてた分余裕なく舌を絡みつける。
途端に優斗さんの手が俺の腰に回って抱きしめられた。

「……ん、っ」

角度変えて舌交わらせて、吸って、俺もきつく抱きついて。
ずっと欲しかったキスと体温に夢中になってく。
唾液の混じる音が頭ん中に響くのにも煽られて腰を擦りつけてってしてたらマジでどんどん足りなくなってくる。
優斗さんの咥内で舌を甘噛みされて、一旦唇が離れた。
またすぐにも触れるくらいの距離で視線を合わせる。

「キス、したかったの?」

人差し指で唇触れられて、そのまま俺の咥内にはいってくるその指を咥えて舐めて吸った。

「ん、したかった」

優斗さんといるとすぐスイッチ入っちゃうからヤバいんだよな。
外だけど、いつ人がくるかわかんねーけど、それでももっとともう一回キスしようとしたらアイスを持ってた手がつかみ上げられた。

「アイスあと少ししかないね」

残念だな、って呟きながら手を重ねたままアイスを俺の口元に持ってくる。
ぺろり舐めたら優斗さんも顔を近付けてきて俺の口触れたままのアイスを舐める。

「捺くん、俺がアイス舐めてるのじっと見てたよね」
「……えー、そうだっけ?」

いまさらだけどちょっと見栄張って素知らぬふりしてみた。

「違うの? すごい視線感じて俺これ舐めるの緊張したんだけど」

笑いながら優斗さんはまたアイスを舐めて。

「……だってエロいんだもん」
「アイス食べてるだけなのに?」
「浴衣ってほら……普段より色気増すから、だから仕方ないんだよ。優斗さんエロすぎで俺無理!」
「大げさだな」
「ほんとだって」
「まぁ確かに捺くんの浴衣姿は色っぽいし、アイス舐めてる姿もエロかったけどね」

ふっと笑ってアイスを退けてまた舌を絡み合わせた。
お互い冷たい舌先は甘くて、咥内じゃなくて外で絡みつかせる。
あーもうまじでヤバイ。
もうそろそろ限界、って俺はぐいぐい腰を擦りつけた。

「ね、捺くん」
「ん……っ?」
「俺がアイス舐めてるのみて、舐められてる想像したの?」
「……うん」
「じゃあ、いま舐められたい?」
「へ……」
「それとも舐めたい?」

もうあと本当に3口くらいしかないアイスは舐めるよりもう食べたほうが早い。
優斗さんはそんなアイスを一度舐めて、俺の口もとに差し出した。
確かに―――想像したのは優斗さんがフェラしてる姿。
確かに触れられるのは好きだけど―――でも、好きな人には触れたい欲求のほうがおおきいつーか。

「……舐めたい」

いいのかな、こんなところで。
いつ人が来るかもしれない裏路地で迷ったのなんてほんの一瞬だ。
抱きついたまま移動して休日らしい店の裏口の壁に優斗さんの背中を押しつけて、その足元に屈みこんだ。


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