ケーキと一緒にB


「クリスマスにこういうこと言うのもどうかなぁとは思うんだけど」
「……へ?」
「捺くん、ちょっと智紀に隙見せすぎじゃないかな」
「……え」
「結構智紀とこの手の話よくしてるよね?」
「……」

してる、かな?
いや、でも別に他意はなくって、大学の友達とだって飲んでる席なんかで結構えぐい話するし。
まぁ下ネタ系は男ならしょーがないっていうか。

「や、あの……。優斗さんも……する、よね?」

優斗さんの場合職場のひとたちと、とかはないだろうけど。
松原と智紀さんが揃って男だけだと絶対そういう話はでてくるはずだ。

「……俺はいいの」
「え……ッん」

なんで、って思わず言いそうになったら指先で胸の突起を捏ねられて言葉にならなかった。

「俺はあの二人の話聞いてるだけだし。そういうネタは話半分にしてるから。晄人や智紀の下ネタなんて真面目に聞くだけ無駄だしね」
「……」

ゆ、優斗さん、何気に冷たい。
確かにあの二人は酔っぱらうと卑猥すぎなんだけど。
猥褻物認定されちゃうんじゃねーのかってくらいトークが過激になるから、俺も話半分にするようにはしてるけどさ。

「でも捺くんは結構しっかりがっつり聞かせられてるよね。智紀が恋人にしたプレイの内容とか」
「……」
「あんまりこういうことは言いたくないけど……。俺と智紀はほら……その上だけど、捺くんは下だし……」

上と下?
歳が、じゃねーよな。
この場合……俺が女役ってこと、なんだろうな。
ほんの少し顔が赤くなってるっぽい優斗さんをまじまじと見つめる。

「だから……、あんまりいろいろ詳細に聞かされるのはどうかと思うんだ」
「……」
「他意はないとは思うけど」
「……」
「でも」
「あの、優斗さん」

俺は思わず遮ってた。
なに、といつもより饒舌になってた優斗さんが目をしばたたかせる。

「それって―――ヤキモチ?」
「……」
「……」
「……」

気まずそうに、優斗さんが俺から目を逸らした。
その耳が絶対赤くなってる。
うわあああ! やっべぇ、なんだこれ、まじでヤバイ!!!

「……いや、別に……」

なんて誤魔化すように呟いてるけど、視線は泳いでるし、ヤキモチやいてましたって言ってるようなもので。

「優斗さんっ!!」

一気に俺のテンションは上がって身体を起こすと優斗さんに抱きついた。



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