そのよん


「っ、ぁ、んっ」

女みたいな声が出るけど抑えきれないし、抑える気もねぇし。
だってめちゃくちゃ気持ちいいから。
身体密着させてキスしたまま脚を優斗さんの腰にまきつけて、揺さぶられて、全部溶けだしそうなくらい気持ちいい。
可愛いね、って優斗さんが俺の指にキスされた。
だから今度は俺がそのまま優斗さんの指にキスし返して指しゃぶってってしたら律動の勢いが増して背中がしなった。

「あんまり煽ったら止まらなくなるよ」

普段の優しい笑顔とは違うすっげぇ色っぽくてエロイ笑みを向けられて、

「別に、っん、いーよ。いっぱい……っあ、したいも、んっ」

なんてさらに煽ってみちゃったりして。
覆いかぶさられて唇塞がれてどろどろに溶けそうなキスしながら激しく腰を打つつけられて、上りつめるのはあっという間だった。

「っ、ぁ、あ」
「……っ」

優斗さんの微かな艶っぽいうめき声とゴム越しに吐きだされる熱をイキながら感じて、ぎゅーっと抱きつきながら満足感に身体を震わせた。


***


いい匂いがしてきて瞼を上げる。
暗いベッドルーム。
夕方帰ってきて一戦して、そのあと優斗さんとベッドの上でいちゃいちゃしながら喋ってたんだけど―――いつのまにか寝てたらしい。
起き上がると匂いにつられるように腹が鳴った。
脱ぎ捨てた洋服がちゃんと畳まれてあってそれを着てからリビングに行くとキッチンに優斗さんが立ってる。
時計はもうすぐ8時をさしていた。
そりゃ腹も減るはずだ……っていうか、優斗さんもしかして夕食作ってくれてんの?

「優斗さん!」

そばに駆け寄るとスープを作っていたらしい優斗さんが俺を見る。

「起きたんだね。ちょうどよかった。そろそろ夕食にしようかと思ってたんだ」

笑顔で言うと同時にレンジが音を鳴らす。

「ごめん、俺だけ寝てて」
「大丈夫だよ。買ってきたのをあたためてるだけだし、あとは本当に簡単なスープだけだから」
「ううん、ありがと。すっげぇいい匂いしてきて目が覚めたんだ」

家ではいっつも用意されてるのを待ってるけど優斗さんと一緒にいるときは絶対手伝う。
レンジを開けるとテイクアウトした料理はちゃんと皿に盛りつけられていた。

「美味しいといいけど」
「絶対美味しいって! 優斗さんの作るのいつも美味しいもん」

クリームベースのスープを盛りつける優斗さんに俺が自信を持って言ったら嬉しそうに微笑まれた。
それから料理をダイニングテーブルに運んで食いはじめた。
デパ地下料理はお袋の料理にはじゅうぶん買ってて美味しい。
でも一番美味しいのは優斗さんの作ってくれた具だくさんのスープ。
クラムチャウダーだったそれは本当にうまくってお代わりした。

「今日行けなかった店、生パスタがすっごく美味しいんだよ。今度行こうね」
「うん!」

優斗さんのおすすめは―――なんて話をしながらあっというまにテーブルの上の料理はなくなっていったのだった。

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