そのさん


「ごめんね、優斗さん。せっかく予約してくれてたのに」

優斗さんのうちに着いたのは6時ごろだった。
7時半にお店を予約してくれてたって知ったのは駐車場でキャンセルの電話をいれてたからだ。

「謝る必要なんてないよ。俺は捺くんと一緒ならどこでもいいし。食事もなんでもいい」

それに俺も捺くんと早くふたりきりになりたかったしね、ってデパ地下で買い込んできたテイクアウトの料理をキッチンに置きながら優斗さんは目を細めた。

「俺も」

優斗さんとならなんでもいい。
隣に立ってだらしなく頬を緩めるとちゅっと唇が落ちてくる。

「お腹空いてない?」
「うん! 大丈夫」
「DVD見る?」

悪戯気に見下ろしてくる目に、俺も同じように視線を返して、ちゅ、とキスする。

「見たいけど明日でいいや。いまはベッド行きたい」

まだ夕方だけど、身体がむずむずするからしょうがないよな。
帰り道車の中で運転の邪魔にならない程度にたまに手をつないで、くすぐるように指でなであったりしてたから早くくっつきたくってしかたない。
正面から抱き付いて見上げると優斗さんは、「行こうか」って俺の身体を持ち上げる。
コアラみたいに抱っこされた状態で寝室に運ばれた。
そっとベッドに下ろされてキスされる。
もちろん触れるだけじゃなくって、待ってましたって感じでお互い舌を出して、絡め合わせながらベッドに倒れ込んだ。
キスしたままじゃれあうように優斗さんが俺に触れて俺も優斗さんに触れていくだけであっというまに熱が昂ぶっていく。
服が邪魔になってきて、キス中断させて服脱ぎ捨てて、素肌を重ね合わせた。

「ん、っん」

優斗さんの舌が咥内を、粘膜をくすぐる。
もう硬くなった息子を優斗さんのに擦りつけて腰を揺らした。

「……可愛いね」

唾液の混ざり合う音を響かせて離れていった唇がそう言って笑う。
可愛い、なんて男にとっては褒め言葉じゃねぇけど、優斗さんにそう言われるのは悪い気しない。
優斗さんと俺のを一緒に掌で包まれて扱かれてヤバいくらいに身体が疼いて気持ちよくて先走りが溢れるのを感じた。

「優斗さん、好き」

大好き、あーもう、早く繋がりたい。
って言いながら首を伸ばして優斗さんの唇を塞いだ。

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