12月25日


"智紀さんが貰ってきた謎のお菓子(?)を食べてツンデレのデレしか言えなくなって真っ赤なちーくんとニヤニヤニヤニヤしてる智紀さん"
"ちーくんにサンタコスプレ(女装)してそのままベットインしてほしい( ´ ▽ ` )"
"ともちーで甘々 食べ物を使ったプレイ(生クリーム等)が読みたいです。"


***


「おかえりなさい、智紀さん」
「ただいま。ちーくん。遅くなってごめんね」
「仕事なんだからしょうがないですよ。お腹すきましたよね。あたためておいたので一緒に食べましょう」
「ちーくん食べてないの?」
「はい。クリスマスだし、智紀さんと一緒に食べたかったから……待ってました」
「……」
ぽかん、と智紀さんが固まって俺を見る。
俺だって固まりたい! この口を押さえて、いや押さえてるけど勝手に言葉が出てしまう。
心にもない―――……そりゃ少しは思ってはいたけど、でも言う必要なんてないことをなんでベラベラ俺は言ってるんだよ!
「千裕。今日はデレ最盛期?」
失礼だなこの人。別に俺はいつもツンツンしてるわけじゃない、はず。
目を丸くしたあとにこにこと微笑む智紀さんからの視線が痛い。俺は視線逸らしたいのに逸らせない。なんでんだよ、くそ。
「デレって、俺はいつだって智紀さんが好きなんだから……普段ツンツンしてるって思われてるのなら寂しいな」
俺は一体なにを言ってるんだ。もう死にたい。絶対あれだ、昼間に食った輸入菓子だ。
お腹空いててキッチンにあったのを食べてしまったけど一口食べた瞬間いやな予感がした。
きっとあれのせいだ。この人が変なルートで手に入れた変な食べ物だったに違いない。
「ツンツンしてる、なんて思ってないよ。俺だって千裕のこと大好きだよ」
ちゅ、とキスされて、顔を赤らめるな、俺。
「じゃあご飯食べよう。そのあとケーキ食べようね」
「はい」
リビングまでの短い廊下をわざわざ手を繋いで行く。
ああ、嫌な予感がする。

***

そのあとの夕食はなんとか乗り越えた。やたらといつもより甘い空気になってしまったけど。
あとはもう寝るだけだ。
クリスマスなんてイブがメインのようなものだし、智紀さんは仕事が忙しくて疲れてる。
さっさと風呂入って寝よう。
「ちーくん。ケーキ食べよ? あ、そうだ。これさちーくんに似合いそうだなと思って買ってきたんだけど。着てる姿みたいな」
はにかむ智紀さんに紙袋を渡され中を取りだすと―――サンタ服。しかもミニスカ。
この人ほんっとアホじゃないのか。
なのに。
「俺似合うかな。不安だけど……智紀さんが着て欲しいっていうならチャレンジしようかな」
と、勝手に動く俺の口。
なんで俺が女装サンタコスしなきゃなんだよ。
そう思うのに言いたいのに俺はサンタ服を受け取ると着替えてしまった。
「ちーくん、似合う。可愛いよ」
となりに座る智紀さんが熱っぽい視線で褒めてくる。
「そうかな。恥ずかしい」
本当に恥ずかしい。もう早く眠りたい。
「可愛い、千裕」
ちゅーと頬にキスしてきた智紀さんはそれからケーキを切り分けて、あーんとしてきた。
素直に食べてしまう俺。
智紀さんが食べさせてと言ってきて食べさせてあげる。
「……千裕。マジで可愛い」
何回目だよ。
「あ、千裕。生クリームついてるよ」
「え―――」
口をぬぐおうとしたらその前に智紀さんの顔が近づいて舐め取られる。
「甘い」
小さく笑う智紀さんの目は艶っぽさをまとっていて、あ、と気づくと同時にまた唇が触れ合って咥内を犯された。
「やばい。甘いのもっと食べたいな」
生クリームを指ですくい、それを俺の口元に持ってくる。
だめだ、このままじゃ。と思うけどぱくりと加えてしまう俺。すかさず唇を重ねられて口の中で舌と生クリームが混ざり合った。
「んっ、智紀さん……もっと、俺のこと食べて……ください」
―――悪夢だ。
今後絶対この部屋にあるものを食べるときはまず智紀さんに食べさせよう。
そう決意しながら、俺は素肌にケーキを塗られるなんていう変態プレイをさせられたのだった。
「っ、ぁ、っ、そんなところ、までっ、うあっ」
あーもう本当に。
夢オチだったらいいのに―――。


☆おわり☆

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