12月23日


"ちょっと弱ってる(風邪を引いちゃった?)文川先生が、献身的に看病をする啓くんに対して素直に想いを伝えるような…それで天然な啓くんが先生をさらに煽っちゃうような…愛してるとか結婚しようとか(あり得ないかもだけど)そんな珍しい先生の言葉に嬉し泣きしちゃう啓くん、みたいな二人の甘々が読みたいです♪"
"久しぶりに文川と啓のイチャイチャが見たいです!セックスなしでも良いので、啓が文川にプレゼントをあげて、少しだけ素直に気持ちを伝えいてる文川が見られればそれだけで幸せです。少し時間が経過していて、大学生の啓も見てみたいです……!"

……すいません。あまりリク消化できてません;


***



「和己、お粥」
「わりぃな。リビング行く」
「いいよ。まだ熱あるんだから!」
「お前過保護だな」
過保護っていうけど和己は珍しく風邪ひいたと思ったら39度越えの熱をだした。
幸いインフルではなくて、薬を飲んで少しづつ下がってはきてるけどまだ38度ある。
「まだ熱あるんだから当然だろ。明日学校休めば?」
「終業式だろ。それに風邪くらいで休めるかって。明日になれば下がってるだろ」
口調はいつも通りだけど声は少し覇気がなく掠れてるし顔は熱のせいで赤くなっている。
「でも無理してこじらせたらどうすんだよ」
「お前心配症だな。薬も飲んでるんだし平気だ。それより、ほら」
お粥、食わせてくれんだろ、と和己が自分の隣を叩いてそうだったと慌てて鍋から茶碗へとお粥をつぐ。
「食べさせろよ」
「わかった」
ふうふうと息を吹きかけて冷ましてからあーんと和己の口元に持っていく。
ぱくり、と食べる和己。もう一口、二口と食べさせる。
「味、わかるか? 大丈夫?」
平気だって言ってはいるけど今回の発熱で食欲がなくなってるから心配も増してしまっていた。
「ああ……。うまい。まだ食べれる」
ふ、と笑う和己にホッとして少しづつ残りも食べさせてあげた。
結局和己は全部食べてくれて食欲も戻ってきたのかなって本当に安心する。
「和己、薬」
用意していた薬を渡すと大人しく飲む。
「熱くないか? 身体拭く? 飯食って薬飲んだんだし寝たほうがいいよな」
「啓」
「移さないから来いよ」
「……別に俺は和己の風邪くらいうつされても平気だけど。そうか俺に移せば治るんじゃないのかな」
「……バカか、お前」
呆れたようにため息ついて、いいから来い、って言われて距離を詰める。
食事を終えてほんの少し調子がよくなってるような気もする。
薬効くといいな。
「お前、まじで俺に甘いな」
和己が俺の腰に腕を巻きつけ肩に顎を乗せる。触れた場所から高い体温が伝わってきて、もういらないと断られた氷枕をやっぱり用意しようかと思った。
「あたりまえだろ、風邪ひいてるんだから」
「風邪以外でも甘いだろ」
「そりゃ好きな相手だし」
言えば、クツクツと和己がおかしそうに笑う。腹筋が震えるのが伝わってくる。
「笑うところ?」
「いや。まぁ俺もお前には甘いしな」
「……」
「なんだよ、その沈黙は」
「いや、別に。俺様度も高いなって思っただけ」
「それはしょうがねぇだろ。俺様だからな」
「はいはい」
「啓」
「なに」
「さんきゅ」
ちゅ、と和己の唇が触れたのは唇ではなく、その端の方だった。
なんで、と顔を離して見ると、
「お前に風邪移したらダメだから我慢してやるよ」
「いいのに」
「バーカ。お前明日はもうクリスマスだろ。大好きな和己に御奉仕してあげようって言う日だろ」
「……え。別にいいけど」
「だからお前は風邪ひくなよ」
くしゃくしゃ、と和己の大きな手が髪をかきまわす。
いつも雑っていうか乱暴っていうか、でも優しいけど、それよりももっと優しく感じた。
「うん」
頷いて俺からもキスする。和己がしたのと同じように唇の端に。
「早く風邪治せよ」
「明日には治ってる。まぁでもお前が甲斐甲斐しく看病してくれるんならたまには風邪ひくのも面白いな」
「面白くない。心配するんだからな」
「わかってるって。もう当分風邪なんてひかねーよ」
ニッと口角をあげて和己が触れるだけのキスをして。
物足りなさに、「本当に早く治せよ! もう寝ろよ」と、笑う和己をベッドへ沈めたのだった。


☆おわり☆

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