12月19日


"智紀×捺!これが読みたいです!実はこのカプのエイプリルフールのお話が一番好きなのです。
なのであんなかんじのがちょこっと読みたいです!"

エイプリルフールネタの続きな感じで。5の続き的な。
夢の途中


***


信じられない。
だって、だって。もう智紀さんとキスすることなんて絶対にないと思っていた。
考えるまでもなく俺には優斗さんだけで、優斗さん以外なんてありえない。
なのに、
「っ、やめっ」
床に縫い止められ、顔を背けても背けても追いかけるようにして唇を塞がれる。
食むように唇が合わさって舌が入ってこようとするのを必死で逃げる。
「智紀、さんっ、やめ……」
「捺……」
なんでそんな目で俺を見るんだ。
動けば触れるほどの至近距離で智紀さんがじっと、じっと、俺を見つめる。
「捺。ね……慰めて」
いつもの爽やかな笑みなんて見当たらない。
余裕のかけらもない。
ひどく切なげな表情に困惑ばかりが増えていく。
「智紀さんっ、落ちついて。話ししよ。なにがあったの。話しきくから」
温かい飲み物でもいれて、話そう。
見つめ返して真摯に言えば智紀は緩く首を横に振った。
「いい。いいんだ。ただ―――捺に俺の傍にいてほしい。お願い」
どうしたんだ、なにがあったんだ。
いつもと違いすぎて固まってしまう。
智紀さんは俺から手を離すとネクタイをほどいた。
そしてそれで、俺の手を縛った。
濡れたネクタイがきつく俺を拘束する。
「智紀さん!? ね、なにすんだよ。これ外して」
「俺と捺は身体の相性よかった、よね」
「……は。冗談、だよね」
「もう一度シようよ。優斗よりも、気持ちよくしてあげるから」
するり、と智紀さんの手が俺の頬を撫で、首筋へおり、服越しに胸のあたりに触れてくる。
いやだ、と抵抗した。智紀さんのことは心配だけど、でも、優斗さん以外に触れられるなんていやだ。
「暴れないで。ひどくしたくない」
表情の見えない―――暗い瞳。
それに背筋に冷たいものが走った。
「―――やだ、智紀さん。マジでやめ、っ―――、待って、やめろよっ」
下半身に触れてくる手。
容赦なく服を剥いでいく手。
「智紀さんっ」
「捺」
愛してる。
だから俺を愛してよ。
目を逸らせないよう顎を掴まれ目を覗きこまれ、囁かれた。
そして俺は―――犯された。


☆おわり☆

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