12月17日


"紘一さんを幸せにしてあげたい!
ともくん監禁か、邪魔なヤツ抹殺か、紘一さんを慕う人との出会い?
何を望まれるか分からないけど、クリスマスの奇跡で
紘一さんに幸せな一夜をプレゼントしたい"
"つきあってる設定を読みたいです"

***


風呂から上がったところでちょうど廊下で紘一と鉢合わせた。
髪を拭きながら「おかえり」と智紀が声をかけると紘一はネクタイを緩めながら「ただいま」と目を細めた。
「ごはん食べてきた?」
「軽くな」
「じゃあ、食べる?」
「ああ」
温めるから着替えてくれば、と智紀がリビングへ向かおうとしたら腕を掴まれた。
なに、と肩越しに振り返る。
「先に風呂に入るぞ」
「お好きに」
今日は特に寒かったからゆっくり入って来いよ、と言いかけた智紀をひっぱりバスルームへと向かう紘一。
「ちょ、なんだよ」
「風呂に入るぞ、と言っただろ」
「はあ? 俺が風呂上がりなの見ればわかるだろ」
「だから?」
「だから、って。いや、意味わからないんだけど」
紘一はさっさとスーツを脱いでいく。あっというまに一糸まとわぬ姿となると今度は智紀の服を脱がせはじめた。
抵抗しても無理やり脱がされる。
「いま風呂から上がったばかりだって言ってるだろ。ひとりで入れよ。俺は夕食温めておくから」
「お好きに、と言ったのはお前だろ」
口角をあげる紘一に、智紀は呆れたようにため息をついた。
どう言ったところで紘一が意思を曲げないことなんてわかりきっているので引きずられるままにバスルームにふたり入る。
男二人入っても広々としたバスルーム。当然のように紘一がすわり、シャンプーと言ってくる。
またため息をつきながらも言われるとおりに髪を洗ってやった。
大学生の自分と社会人である紘一と、どちらがつかれてるかなんていうのは一目瞭然。
何様王様な紘一であろうと多少なりとは労わってやってもいいか、という気持ちくらいは智紀にもある。
「お前、年末年始予定あけてろよ」
「なんでデスカ」
「どこか行く」
「どこかってあと二週間もしないうちに年末だけど」
「そうだな」
もっと早く言えっつってるんだよ、と思いながら髪を洗い流していく。
「また南の島?」
「そこがいいならそうする」
「どちらでも」
「智紀」
「なんですか、お客さん」
コンディショナーを髪につけていく。
ぺたぺたとオールバックにするようにつけていたら紘一が顔をあげる。
「キスしろ」
「―――アンタさぁ」
甘えたかよ、と内心呟きながらも、
「お触りは禁止だからな」
と唇を寄せたのだった。


☆おわる☆

prev next

TOP][しおりを挟む]