12月9日


"ともちーに紘一さんがらみのシリアス"
"まあ、そろそろトライアングルがはじまってもよろしいかと、笑
どろどろ期待。←"

三角関係どろどろ話プロットの一部抜粋な。


***



「どういう理由であれ千裕くん。君は智紀を裏切ったんだよ。智紀の言うとおりにするべきだった。―――だろう、智紀?」
目を閉じてはいけないのに抗いようなく落ちようとしてしまう瞼。
そんな中で言われた言葉に、視界が揺れ映った。
「―――」
智紀さん。
だけど呼びかける前に俺の意識は暗闇へと落ちてしまった。


***


「どういうつもりかは知らないがやりすぎだろ。ふざけるのもいい加減にしろよ」
珍しく怒気を隠すこともせずに言い捨てれば紘一は冷笑を落とし手を伸ばすと智紀を引き寄せベッドに押し倒した。
「ふざけるな、はこっちの台詞だろ。智紀」
互いに冷ややかな眼差しが絡み合う。
「意味がわからない。こんなことをしてアンタにどんなメリットがあるんだよ。アンタの遊びに千裕を巻き込むな」
吐き捨てるように言えば紘一は嘲りを上乗せし口元を歪める。
「お前は前から馬鹿だと思っていたがここまで馬鹿だとは思わなかったよ」
「は―――? なに言っ……」
眉を寄せ智紀が口を開く。だがすべてを言い終わる前に唇が塞がれた。
噛みつくようなキス。舌が入り込み乱暴に咥内を這いまわる。
咄嗟にその舌に歯を立てた。
「――……ッ、やめろっ!!」
力を込めて引きはがす。紘一は無表情に智紀を見下ろした。
「智紀。俺は"あの時"言ったはずだぞ」
「あの時?」
「お前が二十歳になる前の日」
怪訝にしかめられた顔が困惑し、すぐに思い至ったのか智紀は一層強く眉を寄せる。
「……あんなのただの戯言だろ」
「お前はただ逃げてるだ」
「逃げ……? アンタなんか勘違いし」
「"お前は支配する側の人間だ"」
それは紘一が時折智紀に向かって言う言葉だった。
そうなれ、と嘯く紘一に智紀はただ笑って流すだけの意味のないやり取り。
「それがなんなんだよ。アンタはいつも俺にそう言ってたけど、そんなもの」
「その言葉を最初に言ったのは俺じゃない、お前だよ智紀」
「……は」
「お前が俺に言ったんだよ」
知らない、とばかりに智紀の顔が歪む。
紘一は喉を鳴らし、再び触れ合いそうなほどに顔を寄せた。
「だから俺は―――」
目前で告げられることに智紀は唖然としたように目を見開き、そして顔を背けた。
「……バカバカしい。俺は、」
だがそれを許さないというように紘一の手が顎を掴み上げ、強引に視線を絡ませる。
「お前は俺のものだ」
鋭く射抜く眼差しは返事を要するものではなく。
「そして俺は―――」
続く言葉は重く空気に沈んでいった。


***


手を離せばすべて終わってしまうんだろうか。
どうしてもそれだけは嫌だ。
「千裕くん」
穏やかなに声をかけられ重苦しい気持ちをどうすることもできないまま紘一さんを見上げた。
「君にいいことを教えてあげようか」
この人が俺よりも智紀さんのことを理解してるのは知っている。
俺はどうすればいいんだろう。
どうしたら。
「あいつにとって俺はね"―――"なんだよ」
次いで言われたことが理解できず「……え?」と疑問が落ちた。
紘一さんはただ微笑んでいた。


☆おわれ☆

prev next

TOP][しおりを挟む]