12月3日


「ちーくんと捺が前回、酔っぱらって彼氏自慢合戦してたのが可愛くって大好きです。また二人の彼氏トーク読めたらとっても嬉しいです。」
「捺とちーくんがスーパーで買い物してて、ついついお互いの恋人の好物ばかり買ってしまう。」

***



「やっぱり冬は鍋だよねー」
「確かに。捺くんは何鍋が好きなの」
「んー肉がたくさん入ってるの!」
「らしい、ね」
ちーくんが吹きだして、ちょっと照れくさくて苦笑い。
今日は智紀さんがいいお肉をもらったから鍋しようっていって平日だけど智紀さんの家に集合になっていた。
智紀さんと優斗さんは仕事終わり次第だから、俺とちーくんで食材の買い出し中だ。
スーパーでカート押しつつ物色していく。
「あ、これ」
野菜とか買っていって、お菓子コーナーで冬の新商品のチョコに気づいて足を止めた。
「捺くん甘いもの好きなんだ?」
「んー。これこの前優斗さんが美味しいって気に入ったみたいでさ。買っていってあげよーっと」
ぽい、とカゴにいれる俺をちーくんがまじまじと見て何故かため息。
「捺くんと優斗さんって本当ラブラブだよね」
「急に何」
確かにらぶらぶだけどさーって笑う俺に、ちーくんはしみじみと、
「優斗さんって本当優しそうだし、いい人だもんね。羨ましいよ」
「……羨ましいって。智紀さん聞いたらショック受けるよ」
そう言いながら智紀さんには悪いけどおかしくって声立てて笑ってしまう。
まーあの智紀さんが恋人とか、大変そうだよなー。
いや智紀さん優しいし気がきくし、いい人ではあるけど、まーなんかなぁ。
「ショック受けないだろ。せいぜい泣き真似して、逆に慰謝料……っていうか、慰めろとか言ってきそうだな」
「ありえすぎる!」
想像すんの簡単でさらにげらげら笑ってしまう。
「でもそーいうの含めて好きなんだろ、ちーくんだって」
ちーくんだってもとはノンケだったんだし。それ越えて智紀さんと付き合うってことは、相当〜なんて俺は思うわけだ。
俺の言葉にちーくんは一瞬ぎょっとしたように目を見開いて、ため息をついた。
「さあね」
「ちーくんはやっぱツンデレ最強って感じだねー」
「……捺くん、ツンデレ言うのやめてくれるかな」
心底不服そうに眉を寄せたちーくんがふと視線を止めて、手を伸ばしお菓子を取ってカゴにいれた。
ここのスーパーは輸入菓子も扱っていてちーくんが取ったのは外国製のクッキー。
「それ美味しいの?」
「美味しいよ。智紀さんが好きでよく買って……」
言葉の途中でちーくんが黙って、俺から目を逸らした。
きっと俺がすっげぇニヤニヤしてるせいだろう。
「……飲み物買いに行こう」
「ちーくんのデレに智紀さんもやられるわけだ」
「……デレてないって」
深いため息をつくちーくんに、結局らぶらぶなくせにーなんてからかいながら俺たちはだらだらと喋りながら買い物を続けて言ったのだった。

*おわり*

おまけ

捺「俺もツンデレ目指してみようかなー」
優斗「捺くんがツンデレ? ちょっと見てみたいかも」
捺「……あー! ダメだ! 優斗さんにツンツンできねー!」
優斗「ふふ。俺はどんな捺くんでも大好きだよ」
捺「俺も!」
ちーくん「……(無言で鍋をつつく)」
智紀「相変わらずバカップルだねー」

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