12月11日


「この二人の絡みならどんなのでもOKです。ぜひ本格的な智×晄が見てみたいです(>_<)」


*大学生時代のふたりです*



「寒い。―――凍え死にそうなくらい寒い」
「それはお前が店にコート忘れただからだろ」
「なんで脱いじゃったのかなー。晄人テクニシャンだから気付かないうちに脱がされてるんだもんなぁ」
「お前が飲み過ぎて暑い暑い言って脱いだんだろうが。気持ち悪いこと言うな」
「晄人ってさツンデレって言われない?」
「俺がお前にデレた記憶は一切ない」
「断言する? できる?」
「できる」
「じゃあツンツンだな、お前は」
「勝手に言ってろ。―――……というか、なんでこっち来るんだよ。お前の家向こうだろ」
「だから寒いんだって! 晄人んちすぐそこだし、泊るから」
「あ? 来るな、うざい」
「もーいいじゃん。ほらもうあと数メートルで着いちゃうよ。晄人静かに入れよ。深夜なんだからな。みんな寝てるだろうし起こすなよ」
「……」
「……」
「……」
「……って、おい。なんで閉めるんだよ」
「自分の家の戸を閉めて何が悪い」
「泊らせろって!」(一応小声)
「ここから15分くらいだろ、家。帰れ」
「15分の間に凍死したらどうするんだ」
「自業自得だろ」
「お前ツン通り過ぎてるよ。もーいいから入れろって、ケチ!」
「うぜぇええ」
(晄人自宅へ侵入成功!)
「眠い」
「おい、ベッドからどけろ」
「眠い」
「お前は床で寝ろ」
「……そろそろデレようよ。俺は床で寝るからとかさー」
「それがデレっていうのか? 甘ったれるな」
「もういいじゃん。晄人も一緒に寝ようぜー」
「シングルに男二人とか冗談だろ。クソ狭い。床行け」
「お前そんなんじゃモテないよ」
「モテてるから問題ない」
「眠い」
「おい、寝るなって!」
「おやすみー」
「……」
「……ってぇ! お前な、いくらなんでも寝かけてる大親友を引きずり落とすか? さすがにびっくりするだろ!」
「うっせぇな。俺だって眠いんだよ。ガタガタ言うなら家帰れ!」
「嫌だ! 意地でもベッドで寝てやる」
「あ? ふざけんな、俺のベッドは誰にも渡さん」
「お前って、結構心狭いよな?」
「お前が図々しすぎるんだろ」
「俺ちょー心広いんですけど」
「あ? お前の場合は腹ぐ―――」

「うっさい!! 早く寝ろ!」

唐突にドアが開き現れ一喝したのは晄人の姉。
バン、とドアが閉められ今度は無言での睨みあいが始まる。
結局ベッド争奪戦はじゃんけんにて決定することになり―――だがなかなか決着がつかずいつしか二人は疲れ果てて眠りに落ちたのだった。


「ん……」
「……」
差し込む朝日にほぼ同時に二人は瞼を上げた。
そしてかち合う眼差し。
「……」
「……」
数秒無言でやり取りの後、背を向けあい―――二度寝したのだった。


*オワレ*

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