03 ハジメテノ、オトコノコ。
「……先輩」
「なに?」
「……この映画みたいに僕と先輩が結ばれるってことあります?」
なかなかの直球。
この前返事したけど、結局はまたそう来る―――のは仕方ないか。
「ごめんね。俺、いま付き合う気がないんだ」
好きじゃないし、ね。
だから直球で返せば、奏くんは俯いて黙った。
だけどほんの数秒で顔を上げじっと俺を見つめてくる。
「でも、好きなんです」
本当に?
笑いそうになるのを堪えて、「そっか」とうそぶく。
先輩、と"思い詰めた様子で"奏くんが俺にしがみついてきた。
とりあえずそのまま押し倒されてみた。
「男同士なんて気持ち悪いですか?」
「そんなことは思わないよ」
「……だったら」
カラダだけでも、と小さい声が落ちてくる。
高一だよなぁ。最近ってこんなもん?
と、自分のことは置いといてそんなこと思いながら、この据え膳をどうしようかと奏くんを眺めた。
潤んだ目と緊張しているかのように薄く開いた唇がエロくさい。
顔立ちは幼い可愛いのに、男同士の経験はすでにあるんだろうし、
対して俺は"男"との経験はないと思われてるんだろうし。
まぁ実際そうだけど。
緊張している風を装いながらも積極的に行為に持ち込もうとするあたりやっぱ自信あるのかな?
女の子なら晄人だったら「一回だけだからな」なーんてあっさり食うんだろうな。
予測と言うより確信しながら、いまは新しい彼女とラブラブな親友を思い出して―――奏くんの頬に触れた。
そういや最近ヤってないし、それに新しいドアオープンしてみるのもいいのか。
なんて適当に結論だして、その身体を引き寄せて唇を重ねた。
***
「ひ……っ、ちょ……っああ、せんぱ……ッ、んっあ、んんっ」
予想通り男相手の経験があったらしい奏くん。
だけどもまだそこまで開発されるには至っていなかったらしい。
俺の"初めて"の男になりたかったらしい奏くんは、あっという間に余裕をなくし、いまはもうドロドロのぐちゃぐちゃ。
呆気なく陥落したその身体を遠慮なく貪る。
「きもちいーい?」
舌を耳に這わせて囁いたら大きく身体が震え、喘ぎなのか相槌かわからない声がする。
可愛い声で啼いてくれる奏くんは可愛いし、ぶっちゃけ初めてのアナルセックスは噂以上にヤバイ。
かなりの締めつけに気を抜けばあっというまに持って行かれそうだ。
「あっあ、んっ、せんぱい……や、そこ、ヤっあ」
とりあえず自分のほうはコントロールしながら、奏くんが弱いらしい乳首と前立腺を重点的に攻めてあげていたら、もういっぱいいっぱいになったらしい。
焦点のあってない目に涙を浮かべて身体を真っ赤にして、ヤダというわりに腰を揺らしている。
「はい、こっちね」
あおむけになっていた奏くんをうつ伏せにさせて後から貫く。
冷房がよく効いているからさほど汗はかいていないが、それでもそれなりに汗ばんだお互いの身体。
よだれを垂らしまくっている奏くんの半身を扱いてやりながら強めに腰を打ちつけた。
少しして奏くんの背中がしなり全身が痙攣しだす。
「や、ぁ、ッんああ、せんぱっ、イク…っ、やあっ」
絶頂にのぼりつめると同時に俺を咥えこんだ後が激しく締め付けてきて、射精感に堪える。
痙攣している身体をさらに突き上げてやったら悲鳴混じりの嬌声を上げイキつづけていた。
一通りその締め付けを楽しんでから、俺も欲をゴムに吐き出した。
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