29 ぬるく、熱く、
ローションを足しながら指を動かしていく。
中を探りながら夾のものにも指を絡めて動かして。
先走りの溢れる半身が興奮をあらわしてるのはわかる。
けど、甘ったるい喘ぎなんてものは聞こえてはこなくて、俺のものは夾の口に含まれていいようにしゃぶられてる。
こっちのほうが下手したら声出そうだ。
今度してもらうときは上から見下ろしたい。
どんな顔をして咥えてるのか想像しただけで昂りが増していく。
気持ちよさに追い込まれながら、追いこむように後孔を犯す。
内壁を辿って探って、見つけたしこりを指の腹で擦りあげればきつく孔が収縮して指を締めつける。
一瞬止まった口淫に口元が緩んだ。
でもそれも一瞬でまたすぐに刺激が襲ってくるけど。
負けじと夾の半身を手で扱いて―――だけど見つけた前立腺は外して指を増やしほぐしていく。
は、と熱い呼吸がこぼれて、俺の半身にも同じように熱い吐息が吹きかかって。
ぬめる感触は俺の手と指と半身にまとわりつく舌と。
ちょっとヤバいかもって少し焦る。
まさかフェラでイかせるつもりだったりするのか?
ちょっとづつじわじわ沸き上がる吐精感に眉を寄せて、両膝を立てるとストップをかけるように夾の顔を挟みこむ。
じゅる、とひときわ強く先端を吸い上げられて息を飲んで、これはマジでヤバいって夾の後孔から指を引き抜いた。
そして夾の腰を掴んで体勢を入れ替える。
身体を起こして夾の両脚の間に割り入った。
濡れた唇をぺろりと舐めながら夾は欲に濡れたエロすぎる眼で俺を見上げる。
「なんだ、もういいのか?」
あと少しだっただろ、と薄く笑う夾に、そうだけど、とちょっと口を尖らせた。
「やっぱり初めてなんだから夾くんの中でイキたいだろ?」
さりげなく名前で呼んでみつつ笑顔を向ければ、は、と鼻で笑われる。
「じゃあ早く挿れろよ」
「いやまだほぐさなきゃ。俺のマグナムはこの程度じゃまだ入らな」
「うぜぇ」
あっさりばっさり切り捨てられてる最中も俺はいい子だからすでに夾の後孔に指を突っ込んで動かしていた。
やっぱりこうして顔見ながらがいいよね。
シックスナインも楽しかったけど、指を動かすたびに夾の整った顔が歪んで、じわりと朱に染まって色気が増していって、熱すぎる吐息をついて。
変化していくそれら全部をじっくり見ることができるんだから。
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