28 昂り


咥内に含んだ夾の半身に舌を絡める。竿の部分を手で扱きながら口を動かしているとどんどん夾のものが育っていく。
気持ちよくなっているってことは間違いなくて少し安心する。
なにせ口淫は初めて。でも同じ男だしどうされたら気持ちいいかはわかってる。
硬いものが口の中の粘膜を刺激するのがわりと興奮するってこともわかった。
しゃぶりながら上目に見上げるといつも無表情だった夾の目は強い光を放ってる。
舌を出してゆっくり舐めてみせればその光は一層強くなって、髪を掴まれた。

「離せ」

短く言われた言葉は別にこの行為を嫌がってるせいでもなさそうだったから手は夾のものに触れたまま口を離す。
それで?、と聞き返す前に押し倒される。
え、やっぱ俺が下?
なんて一瞬思わず過ったけど、すぐに目の前に夾のものがきて、下肢から刺激が走った。

「……っ」

生温かい粘膜に咥え込まれてもう完勃ちしてた俺の半身がぶるりと震える。
正直あんまりこういうことしないんじゃないのかなぁって思ってたのと、予想外に舌の動きがヤバくて腰が震える。
その分さらに煽られもして俺もまた夾のを口に含んだ。
ぴちゃぴちゃと卑猥な音が微かに響く。
静かな部屋に互いの息遣いが互いの半身に熱く触れて響いて、まだたいして温まっていない部屋の中で身体だけが異様に熱く昂ぶる。
もっと、と追って、追われて、唾液がこぼれるのも構わずに夢中になった。
それでも俺にはやることがあるのだ―――と手を伸ばしわりとすぐ近くにあったチューブを取る。
蓋を開けて中身を指に出し、一旦夾のを口から離す。
代わりに手で扱きながら窄まりへともう片方のローションをまとった指を近づけた。
ゆっくりと触れると一瞬肌に緊張が走ったのを感じたけどすぐに弛緩する。
縁を撫でそして指先をそっとローションを塗り込むようにしながら押し込む。
使ったことがあるのかないのか。
狭いそこは俺の指を拒むように押し出そうと動く。
それを宥めるようにそっと侵入させていき、内壁をほぐし始めた。

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