あまいチョコレートとご一緒に♪B


「おいしー!」

捺くんが用意してくれていた夕食もとても美味しかった。
もともとなんでもできる子なんだろうな。
出会ったころは料理なんてできなかったのに、いまでは作るたびに上手になっている気がする捺くんの料理を食べ終えて、俺が作ったホワイトチョコのレアチーズを口に運んでいた。
本当に美味しそうに食べてくれているから俺も嬉しくなってしまう。
ダークブラウンのココット皿に作ったレアチーズをあっという間に平らげた捺くんがじーっと俺の方を見てくるから食べかけのをスプーンにすくって口元にもっていってあげる。

「ありがとー」

嬉しそうにしてる捺くんに、こんなに喜んでもらえるんだったらもうちょっと多めにつくればよかったなと少し後悔した。
もう一口二口と捺くんに食べさせてあげて、俺の皿も空になる。
ストレートの紅茶を飲んで口の中の甘みを緩和させていたら捺くんが俺でも知ってる有名チョコ店の小さい紙袋をテーブルに乗せた。

「俺から優斗さんに! ハッピーバレンタイン!」
「ありがとう」

そしてイスから立ったと思うと俺の横に座ってくる。

「あけていいよ!」
「うん」

促されるままにパッケージからして高級そうなチョコを開ける。
中身は6種類入っていて、美味しそうだ。

「食べる?」
「うん」

とりあえず一つ口に放り込む。
ブランデーの薫るガナッシュクリームが美味しい。

「美味しい?」
「美味しいよ。捺くんも食べてみる?」
「うん!」

捺くんはウキウキとした感じで一つ手にした。

「優斗さんも一緒に食べよう」
「うん……」

頷いて、捺くんを見て、思わず笑ってしまう。
にこにこした捺くんは気にする様子もなく、口にチョコレートを咥えて俺に顔を寄せてくる。
これがしたかったのか、と口元を緩めたまま俺も顔を寄せて捺くんに、もといチョコに食いつく。
少しかじってすぐにまた唇を塞ぐと、捺くんが俺の咥内にチョコを押し込んできた。
そのまま舌も一緒に入ってくる。
口の中で暴れる舌はチョコを舐めてて、俺にお構いなし。
だから今度は舌で押しやって捺くんの咥内に移動する。

「……ん」

甘いチョコレートがお互いの熱でどんどん溶けていく。
ラズベリーが入っているのか、その風味が甘い中に広がって追いかけていったら捺くんの舌がチョコレートを取って。
奪い合うようにチョコを食べて、そのたびにキスはどんどん深くなっていく。
次第にチョコレートは溶けて舌の上に残るくらい。
あとはもうチョコレートより甘い捺くんの咥内を味わうだけだ。
遮るものもなくなった、だけどまだチョコレートの風味が残った舌を舐めて吸い上げる。
俺に抱きついてきてる捺くんの腰を引き寄せると、俺の脚の上に跨ってきた。
自然俺が顔を上げ、捺くんが俺を見下ろして唇を触れあわせ合う。

「……っ……ん、ゆーとさん」
「なに?」

息を軽くあげた捺くんが口元が甘いのか舌で舐めてから微かに首を傾げる。

「もう一個食べる?」
「うん。食べさせて?」

見上げて笑いかけると、頬を赤く染めた捺くんがもう一粒チョコレートを口に運んでくれた。



***


「……ッ……ふ……ぁ、ンっ」

うあああー! ヤバイっ。
二個目のチョコがようやく溶けて絡みついてくる優斗さんの舌。
チョコで甘い咥内を貪るように舌が這いまわってくる。
バレンタイン効果なのか甘さのせいか妙にいつもよりテンション上がるっつーか。
息継ぎする暇もないくらいにキスが続いて、粘膜しげきされて、舌甘噛みされて。
今日は俺ががんばるはずなのに、やっぱり一枚上手な優斗さんに引きづられるままに翻弄されてる。
頭ん中がぼーっとしてされるままに舌交わらせてると、優斗さんの手がシャツの中にもぐりこんできて素肌に触れてきた。
腹部に触れて、指先が体温をあげるように動きながらのぼっていく。
辿りついたのは胸の敏感な部分で指先でこねられるとビクビクと身体が震えてしまった。

「んっ……ん」

あー、気持ちいい。
でもさすがにダイニングチェアに座ったままでとかバランス悪いし。
つーか、ダメだっ!!

「ゆ、優斗さんっ」

必死に力振り絞って追いかけてくる優斗さんの唇から顔を離した。

「なに?」

もうとっくにスイッチオンしてるらしい艶っぽく濡れた優斗さんの目。
下から上目で見つめられるとヤバいくらいドキドキする。
色っぽいっつーかエロイっつーか。

「あの、あとでベッドでシよう? とりあえずお風呂入ろうよ!」

今日は俺が優斗さんを癒してあげる日にするんだ!
せっかくの甘い雰囲気だけどまだまだバレンタインイベントをあっさり終わらせる気はない!

「……そう? 俺はもうちょっと捺くんに触れてからでもいいけど」

名残惜しそうに優斗さんの手が動いて俺のシャツをめくると、肌に吸いついてきた。

「っ、ん。あ、の、でもやっぱ……お風呂入ってから!!」
「……わかった」

残念そうに優斗さんの眉が下がる。
あー! もう、俺だってこのままシてーよ!!
でもせっかく用意したアレとかアレとかが出番待ってるし!!

「……お風呂はいろ? 俺洗ってあげるから」

そう言って、ちゅ、とキスを落とすとようやく優斗さんは笑顔で頷いてくれた。



***

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