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それは突然だった。


♪〜

『メールか』

土曜日の夜、漫画を読んでいるとジャッカルからメールが来た。

《ブン太たちがお前の連絡先が知りたいって。教えてもいいか?》

今日から確か立海テニス部は他校と合同の合宿に行ってるんだっけ。

部屋割りが一緒か、それか夜だから一緒に話してるのかなと思う。

赤也くんとかブン太ならゲームの話とかできるし。

はっきり言うと私の携帯のアドレス帳…両親、兄弟、ジャッカル(家含む)、部活の顧問、後輩一人しか登録されてないしな…


はっきり言うと大歓迎です。


カチカチ

『いいよ…っと』

返信すると、またすぐに返事が返ってきた。

《サンキューな、たぶんすぐにメール行くと思う》

《了解。練習がんばれよー》

ジャッカルにメールを送って漫画の続きを読みはじめようと布団に転がる。


♪〜♪〜

しばらく読んでいるとメールの受信を知らせる着メロが聞こえた。

ポケットから携帯を取り出し、待ち受けを見ると新着メール5件と書かれていた。


『5件って多くない?』

赤也くん、ブン太、なんかノリで幸村とかありそうだけどあとは誰だ?

ぴっ
受信ボックスを開き中身を見てみる。

『赤也くんかぁ』

《師匠のメアドゲット!今度一緒にゲーセンいきましょう 赤也》

『フルボッコにしてやんよ(この前からお気に入り)っと…』

赤也くんに返信をして次のメールを見る。

『ブン太と幸村か』

《師匠、この前はごめんな。だからもうフルボッコはやめてくれぃ ブン太》

『そんなこと気にしなくていいのにー』

そういえば若干泣きそうだったな。フルボッコしたあと。

かわいそうだからしばらくやめてやろうか。


《面白そうだから送ってみたよ、ふふ。俺、ゲームはわからないけど一度君とは勝負してみたいよ 幸村》

『うわ、幸村とはやりたくないな。なんだかんだ言ってきっと恐ろしいコンボするんだから』

お断りしますと幸村には送っておこう


次のメールには驚いた。
なんと可愛い可愛い奏ちゃんからだった。


《みょうじ先輩、こんばんわ奏です。先輩達とお話していたら皆さんがみょうじ先輩のメールアドレスを教えてとジャッカル先輩にお願いしていたので少し便乗してしまいました。良かったら私のアドレスの登録お願いします。いつでも暇なときメールくださいね。よろしくお願いします》


天使だ!魔王のあとの天使だ!
可愛い、むちゃくちゃ可愛いんだけど。

いつでも暇なのでメールさせていただきます!

その旨を奏ちゃんに返信してしばらく悶えまくってました。

『もう一人誰だろう?』

そういえば5件来てたんだった。
赤也くん、ブン太、幸村、奏ちゃん…………

誰だ、最後の人物は。

わからないけどとりあえず開いてみた。


『え……』

なんだか私、目がおかしくなったかもしんない。

メール本文に"柳蓮二"って書いてます。あれー?

『湊!!』


とりあえず私じゃない誰かに確認してもらわねば。

と言うことで弟の部屋へ突撃。

「なんだよ」

『ここここれ何て書いてある!?』

「はぁ!?」

そう聞けば私の可愛い弟くんはよ、あ…こいつ馬鹿だみたいな顔で私を見るんだ。

「柳蓮二」

『はぅ!?』

「柳蓮二」

『うはっ』

湊が名前を呼ぶたびにボクシングで殴られたような衝撃が襲う。

心臓バクバクだぜ。

「…………姉ちゃん」

『な、なんだい?』

「姉ちゃんって柳先輩が好きなの?」

『…………why?』

「だって柳先輩の名前を呼ぶだけで顔真っ赤」

『あばばばばばばばばばばば』

何故バレた!?
てかお姉ちゃんは君が柳くんを知ってることにびっくりだよ!!

しょうがない逃げるか。

『ありがとうね、湊くんよ。お姉ちゃんは猛烈に眠いから寝るわ!おやすみんご!!』

「ちょっと、姉ちゃん」

勢いよくドアを閉めて部屋に逃げ込んだ。

何故私はいつもいつもバレるんだ!!幸村とかにもバレたしなんだみんな超能力者か!?


『とりあえず、柳くんにお返事書かないと………………………………………………何て書こう』


柳くんからのメールにはこう書かれていた。

《夜分のメールすまないな。精市たちがみょうじのメールアドレスを聞くと盛り上がっていてな、ついでに俺も参加させてもらった。よろしく頼む》


『あぁ、これをあの声で読み上げて欲しい!じゃなくて……《こちらこそよろしくお願いします。》っと』

普通の返信を送って、布団に転がる。

頭から湯気が出てる気分です。

「………………姉ちゃん、大丈夫?」

『…今、死にそうです』

「あっそ」

いつの間にか、(さっき逃げたから)覗きに来ていた湊にキツイ一言を言われました。

てか、勝手に乙女の部屋を覗くな。

「誰が乙女だ」

『もう、早く寝なさい!!』

バンっとドアに枕を投げつけたら自分の部屋に帰っていった。

もう最悪だ、柳くんからのメールにもちゃんと返信しかできないし

弟にバレたし


もうヤダ


悲しすぎて夜中にジャッカルに愚痴りました。



(ジャッカルぅぅう!!)
(夜中になんだよ!?うるせぇな!!)
(なんで柳くんからメールがくるんだよ!!)
(嫌だったのか?)
(嬉しすぎるわ、馬鹿野郎)
(ははは)
(てか、湊にバレた!?)(はぁ!?なんでだよ)
(実は…かくかくしかじか)
(お前馬鹿だろ)






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