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今日は月曜日。茶道部の日です。

「おい、なまえ。今日部活あんだろ?」

『うん』

「終わったらコートの近くででも待ってろよ。一緒に帰ろうぜ」

『わかった、じゃああとでね』


授業も終わって放課後帰る約束をして私は茶道部の部室へジャッカルはテニス部の練習に行った。

『やっぱり今日も一人か』

茶道部も普段の部活にはあまり人は来ない。
私は部長だし、茶道好きだしあと言うと部室が和室なのが好きでいつも部活に参加する。

さらに言うと和菓子が大好き。

正座はつらいけどいろいろと楽しいし。


『ハァ…』

一通りのことはやったので、ちょっとごろごろしよう。

「あまり女子がそんな格好で寝るものじゃない」

『え』

そう思ってごろごろしていたら、あの声が聞こえた。

「邪魔するぞ」

『や、柳くん!?むぐっ』

「頼むから静かにしてくれ」

いつの間にか柳くんが和室にいた。しかも今柳くんに口塞がれてる!?

「わかったか」

キョロキョロしながら私にそう言う。大人しくうなずくと彼は私から手を離した。

『ごめんなさい、驚いちゃって』

「いきなりだったからな、すまなかった」

『ううん、いいの』

柳くんは私の近くに座った。

『あれ?部活は?』

「今日は精市の思い付きで鬼ごっこすることになってな。奏を安全区域においてから逃げてきた」

『安全区域?』

「精市の担当区域だ、奏とゆっくり話がしたいからと頼まれてな」

『大変だね』


よく見ると柳くん汗をかいてる。走って逃げてきたんだろう。
ポケットにあったハンカチで拭いてもらおうと差し出したら少し笑ってありがとうって言われた。


『鬼って幸村だけ?』

「いや鬼は精市と弦一郎だ。たしかもうジャッカルと丸井、赤也は捕まっていたな。今頃俺お手製の苦もちの餌食だ、ふふふふ」

とても楽しそうな顔をしています。てか顔がドSだった!

『苦もち?』

「ああ、知り合いが恐怖で部員を支配しているという話を聞いてな。真似をしてみた…それより一つ頼みたいことがあるのだが」

『頼み?』

ちょっとドS顔にときめいてたら頼みがあると言われました。


「俺にも茶を点ててもらえないだろうか」

『え……?』

「見たところみょうじも暇そうだし、良ければお願いしたいのだが」

『わ、私なんかが点てたのでいいの?』

「ああ」

にこりという微笑みに心臓が馬鹿みたいにバクバクいう。

どうしよう、緊張する。

いつもの通りに抹茶にお湯を入れて、茶筅でかき混ぜる。

『ど、どうぞ』

「いただきます」

あああああああ、こんなにも人に飲んでもらうのに緊張するのってはじめてかもしれない。

「けっこうな点前だった」

『よかったぁ』

「………………ふ」

『?』


柳くんの目があ、開いている!?しかも笑ってるよ


ぶっちゃけ開眼怖い


「お前は、見ていて飽きないな」

ぽんぽんと、頭を軽く叩かれた。


『あばばばばばばばばばばば』

「ん…どうしたんだ?」

今日は柳くんに触れる率高しです。ああ、クラクラしてきた。
目の前が真っ白になのは何故?


「キェェェェェエエ!!」

何だか遠くで真田くんの絶叫が聞こえた気がした。





※茶道に関しての知識が全くないのでいろいろと間違っているかもしれませんがお許しください。


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