09


「これはこうであるから答えは……になる」

ああ、眠たい。授業ってどうしてこう眠たいのかしら。

でも大胆に寝るのは先生に悪いしなぁー、と言うことから発明された伊達寝る眼鏡


この伊達寝る眼鏡は、伊達眼鏡に私なまえが作り上げた手書き目玉を貼り付けて出来た授業中起きてることをアピールする眼鏡なのだ!

「お前なにしてんの?」

『あー、寝る準備』

「!?…なんだ、それ…お前馬鹿か?」

『何を言ってるんだ、超真面目、超絶真面目』

「…………………………」

ジャッカルは素晴らしい私の発明に口をあんぐり開けてこいつありえねぇという顔をしている。

『じゃあ、ノートよろしく頼むぞ。ガングロ卵ちゃん』

「シバくぞ、タコ」

『ああ、タコのお刺身食べたいなぁ』

「こら、みょうじに桑原。私語をするな」

『すみませーん』


ジャッカルのせいで先生に怒られちまった。
謝ったあと伊達寝る眼鏡をかけて肘をついて手で頭を支えて完成。
さてと、寝るか!


*****


「えー、次のこの問題だがみょうじ……ってえ?」

「先生、何も言わず授業を進めてくれ」

「一体なんだ、それは。俺は馬鹿にされているのか…!?」

先生がこう思うのも仕方がない。俺が先生だったらそう思うだろう。

だって考えてみろ。
眼鏡に手書きのしかもギョロ目だぞ、リアルアイズだぞ。

それが傾いたまま自分を凝視してくるんだぜ、腹立つだろ?

先生の呟きに俺やなまえのまわりの生徒がざわつき始めた。

ため息をつきながらも先生に一応フォローを入れる。

「これでも真面目にやってるらしい」

「……なんでいつもそんなことは真面目にやるんだっ、俺の授業は寝てばっかりなのに!!」

「そればかりは俺にもわかんねぇよ」

「……まあ、いい。じゃあ、この問題桑原、お前やれ」

「え、…………俺かよ」

確かに先生の腹立つ気持ちは少しばかり分かるが、何故俺に八つ当たりするんだ。

どいつもこいつも。

急に振られて考えているとまわりからぼそぼそと聞こえてきた。

「みょうじっていつも思うけど、とても残念な美人だよな。可愛いのに、何か変でさ」

「うん、変わってるよね」

「何考えてるかわからないからちょっと話しかけづらい。」

「わっかるー」

「いつも一人でムッとしてるし。一人が好きなのかも。」

「え、でもじゃあジャッカルくんは?」

「ジャッカルくんは特別でしょう!」

なまえはこんな風に思われてるのか。


確かに何を考えてるかは、一見わからないがだいたいが変な妄想だし。

あとは家に帰ったあとにやるゲームの計画立ててたりとか……。

無表情でムッとしてるときも大概妄想してにやけを我慢してるとき………。


ああ、無理だ。
こいつのフォロー難しすぎる。

「…………」

そんなことを考えながらひそひそ話をする奴らを見ていると、その中の一人と目があった。


「じゃ、ジャッカルくん!」

「ん?」

「今のは別に悪口とかじゃなくてね?」

急に慌てているのはなんでだろう。別に何も言ってないのによ。


キーンコーンカーン

『ぬわっ、授業終わりの鐘なり!』

「みょうじは先生が嫌いか!?そうか!?」

『なぬ!?どうしたんですか先生!』

授業終わりのチャイムと同時に目を覚ましたなまえを見つけ先生がキレた。

本人は何もわかってないので、ものすごくびびってる。


『先生の授業楽しいから私大好きですよ!』

「お前は!一回でも最後まで聞いてから言え」

最後の吠えてから先生は教室から出ていった。

半泣きだった先生は何だかかわいそうだった。

『よし、ジャッカル。ご飯買いに行くぞよ!そしてご飯だ!!』

「へいへい」


伊達寝る眼鏡をとりポケットに入れると、スタスタと教室を出ていった。





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