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『ちーす!』

「芽依、さんじょぉぉぉ!!」

亮くんと芽依とテニス部の部室について中に入るとにこにこしてる忍足がホワイトボードの前に立っていた。

「忍足だけか?」

「そうなんや、全く遅刻厳禁って書いたんになぁ」

「ねえ、忍足」

「なんや、芽依?」

「確かに遅刻厳禁って書いてたけど、時間が書いてなかったよ」

「あ」

『馬鹿だわ』

「馬鹿だな」

とりあえず忍足に言われたように並べられた椅子に並んで腰かける。

『それでみんな集めて何するの?』

「それは全員集まってからのお楽しみや!」

かちゃっとわざとらしく眼鏡を直す。
全員が集まるまで話はないらしい。

四人で他愛のない話をして時間を潰して、人が来るのを待つ。

「主役は〜」

「遅れて到着するのが〜」

「「お約束ってね」」

「こんにちは」


二年生たちが来るのを筆頭に続々と部員たちがやってきて30分ぐらいで全員がそろった。

「よっしゃ、ほな始めるで!今日みんなを呼び出したのは他でもない文化祭のことや」

「今年の文化祭は出し物の売り上げやアンケートの人気などで各ジャンルでNo.1を決める」

『ランキング形式ってこと?』

「そのとおりだ。各ジャンルでNo.1には、それぞれ景品が用意されている」

「けい…ひん!」

あ、芽依が反応してる。

「さらにアンケートでの人気No.1にも景品がついてる」

「もちろん俺らは1位が欲しい」

「そうだな、やるなら一番がいいよな!」

「俺は景品が欲しいぜ!侑士」

「あたしもあたしも!!」

景品という言葉に反応した向日くんと芽依と勝負ごとになると燃える亮くんが口々にいう。


「まあまあ、岳人も芽依も宍戸もおちついてえな」

「それでだ今回の文化祭の出し物だが、プロデュースは忍足に任せる」

「却下だ」
「却下です」
「却下します」

「なんでやねん、お前らなんやねん!!」

「宍戸、鳳、日吉、お前らの即答もわかるが…我慢しろ」

跡部が今回の文化祭の出し物を忍足がプロデュースすると言った瞬間、三人が声を揃えて拒絶の意を示す。

笑っちゃ悪いけど忍足はかわいそう。

「いいか、よく聞け。例えばお前らなら出し物で何をする。いってみろ」

「俺は…喫茶みたいな感じですか?」

「鳳、ありきたりだから却下だ」

「たこ焼き屋またはお好み焼き屋」

「岳人のそれは邪道やからあかん」

「武術大会」

「日吉よ…誰が見る。そして何が面白い」

「テニスの試合」

「宍戸、いつもと変わらねえだろうが!!しかも金とる気か!?」

とまぁ、レギュラー陣の出す意見に悉くNOを叩きつける跡部と忍足。

「おい、双子。何か意見出せ、よし譜月」

「お化け屋敷ー」

「サッカー部がやると決まってる。却下!次李月」

「悪戯喫茶」

「お前がやりたいだけだろうが。よし次」

『あ、私?そうね…ホストクラブとかどう?ドンペリって名前の100%リンゴジュース一杯千円!売り上げは間違いないわ、だってあんたら無駄にいけめ…』

「おい、宍戸。椎木黙らせろ」

何よちゃんと意見出したげたのに!



(椎木先輩、えげつない)
(楓ちゃんお金稼ぎには悪どいから)
(楓姉かっこよす!!)
(譜月、こういうところは憧れちゃ駄目だ)
(楓…)

(お前ら話聞けよ!!)





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