杉浦作品(いちラキ)感想


12年7月号

S◇最終回でした。大団円でした。
結末は見たいけど終わって欲しくなかったという、何とも矛盾した気持ちをずっと抱えたまま話を読み進めていました。今は終わってしまって淋しい気持ちと、みんな幸せになれてよかったと思う暖かい気持ちと半々です。
読みながら、やっぱり泣いてしまいました。満たされた気持ちで泣くのって本当に久しぶり。


今回は表紙も巻頭カラーもS◇でした。どっちかは4人のイラストか警備隊とかみんな集合絵がくるかな…?と思ってたんですが、両方とも羅貫と千艸の2ショットでした。
考えてみれば、2人が出会って物語が始まったんですものね。終わりも2人よね。



羅貫&千艸も、妖芽皇子&金隷もどっちも助かった!ばんざーい!!良かった!最後の沙芽の人ありがとう。結局、冴さんの記憶の欠片を受け継いだ人ということしか分からなかったけども、ホントにありがとうございました。


樹に包まれてた2組、それぞれのパートナー同士でお互いを大事そうに抱えてるのを見て、ああもう本当にこのカップル達は…と口元が緩みました。特に金隷と妖芽皇子がなあ。


羅貫と妖芽皇子が和解してくれてよかった!ついでに羅貫に懐いて、ぎゅーっって抱きしめ返して『スキ』って言ってた皇子が可愛くて可愛くて!!アレ、語尾にハートマーク付いてるよね!?(笑)ええいもう、せっかく兄弟なんだからもっと仲良くしたまえ。ていうか、仲良くお茶でも飲んでるところが見たかったよ。
羅貫の手料理を好奇心旺盛につついてる妖芽皇子とか見たかったよ!


『力比べの戦いがしたかった。気が済んだ』って言ったところの妖芽皇子の表情も可愛かったです。やんちゃっ子というか、ああいう表情もできるのね。


妖芽皇子は灯二との繋がりが切れた後は、普通の景色は見えてなかったんですね。じゃあ、千艸にフツーの光景を見えるようにしてもらったあと、あの緑の大地を見たら、すごいビックリしたんじゃないかな。胸がいっぱいになるというか、普通に感動してくれてたらいいなあ。


灯二と成重さんを千艸が抱きしめたところの成重さんの表情も今まで見たことがない顔で、初めて成重さんを可愛いと思ってしまいました。安心したのと拗ねてるのが混ざった顔でしたよね。灯二も!口尖らせるなよもう!可愛いなあああああ。



羅貫たちは死んだことにして…っていうのは正解だと思います。これ以上、縋る存在があの世界にはあってはいけない。羅貫のあの遺言が心に刻まれているなら、その言葉を忘れずにいてくれる方がいい。
亡くなった事にしてしまうのは哀しいけれど、旅を共にしてきた大切な人たちが覚えてくれてたらいい。常に一緒にいられなくても、おおっぴらに復興した村を歩けなくても、たまにこっそり会うことが出来るのなら、それで……。


羅貫が元の、こちらの世界に戻ってくるとは思わなかったです。でも考えてみれば、羅貫は後半よく向こうに残してきた友達の事とか思い出してたものね。当然の結末だったかもしれない。

金隷と千艸の力で、こっちと向こうを行き来できるようにしてくれたのは良かったです。
みんなと永遠の別れだったら淋しかったもの。



羅貫は1年も不在だってことになってたのか。うまく誤魔化せてよかったなあ。
そして千艸も親戚ってことで誤魔化せてよかった。つか、じい様のご友人がたの胆の座り方が。。。類友?絶対に楽しんでますよね(笑)
カフェでバイトの千艸は本当にウェイターの格好が、すごいカッコよくて似合ってるんだけど、あれは天然タラシみたいだー。前におまけペーパーで描かれてたホストより、こっちのが心臓ばくばくです……(笑)

そういや千艸は羅貫の遠い親戚という事で「沢 千艸」に。
結婚したみたいですね!


灯二と成重さんはいとこって設定になってるけど、どんな美形一族だよ(笑)
2人も苗字は『沢』なんですよね。警備隊の面々もみんな『沢』の一族ということなら、みんなもう親戚扱いでいいんでない?



あ、重雪さんと三重ちゃん、成重さんの3人も少しずつだけど歩み寄れてるようで、良かったです。成重さんは三重ちゃんと暮らせてるんだね。


三重ちゃんと閧志さんがくっつくとは思いませんでした。まあ『唯一のマジメでまともな大人の男』だって、警備隊の面々も納得してますがね(笑)主匪も宮さんも素敵じゃんようー。でも三重ちゃんが懐くなら、閧志さんで納得するかな。

小姑が2人っていう灯二のセリフに吹き出しました(笑)そうか、三重ちゃんをお嫁さんにするなら、閧志さんにとって成重さんは義兄弟に……。閧志さん頑張って!!

ところで虹!閧志さんはロリコ…じゃないよ!!!(爆笑)いやもう、そんな変な単語覚えなくていいって!(笑)


成重さんが灯二に改めてお礼を言ってるシーンも見ててほんわりした気持ちになりました。灯二は心の支えだったんだね。もう三重ちゃんが誤解した通りでいいんじゃないかな?無理に女の人を好きにならんでもいいのだし、多分、灯二と成重さんならちょうどいいバランスでやっていけると思いますよ。


宮さんは主匪に『頭』という意味の名を背負わせたことを気にしてたんだなって、ハッキリわかったのも、なんか良かったなあと思います。心にずっと引っ掛かってたのね。なんだかんだ、宮さんも繊細だものなあ。
主匪はやっぱ器大きいよな。強い人だなあ、と思います。



そんでもって白琵―――ッ!!
髪を下したら何かしっとりとした美人さんなんですが!?もともといいとこのお坊ちゃんだからにじみ出る気品とかそんなんもあるんでしょうが、いやもう何か……夜明さんと並ぶとシャレにならん。美人姉妹みたいだ。
あと、白琵の表情から完全に剣が取れて柔らかくなってるんだ〜。夜明さんのまえだからかもしれないけど…ちょっとツンな部分が残ってくれてたら嬉しいなあ。警備隊年少組向け限定でもいいから。


夜明さん、前向きになってくれてよかったあああ。
葎可さんがいつの日か目覚めて、もう1度話ができるようになると願ってやみません。夜明さん秀才っぽいから、時間はかかるかもだけど、いずれ願いをかなえられると信じてる!


そういや、宮さんのセリフから察するに、白琵は警備隊と一つ屋根の下なんだろうな。
秋市が、主匪も宮も元の名前の家に帰るんじゃないと分かってホッとしてる描写も何気に好きです。警備隊はもう全員まとめて家族でしょう!今さら今さらだよ!
みんなの住んでいるここが実家というのなら、羅貫と千艸の実家もここってことでいいんでしょうね。


ところで、ずっと気になってた妖芽皇子の名前のことですが、それにも答えを貰えてよかったー!いや、何て名前になったか、私には知る術はないんですが。
金隷だけが呼ぶ妖芽皇子の名前……どうか素敵なのを考えてあげてください、金隷。
でもいつか、羅貫が妖芽皇子に会いに行ったら、『金隷がつけてくれたんだよー!』って言って、思いっ切り羅貫にだけ教えて自慢する妖芽皇子とかも見てみたいなあ。
それをパートナー2人が微笑ましく見てるのとかもあったらいいな。

妖芽皇子と金隷も穏やかに暮らしているようで何よりです。2人の表情も本当に柔らかくなったなあ。これ、本当に嬉しい。


あと、嬉しかったなあ、と思うのはあの戦いで傷ついた大地が本当にいい方向に再生してくれたこと。特に毒→銀の樹が大地の土台を支えるのに役立ってくれてるということ。
大地が割れたおかげて、おそらく地下にも水が流れ緑が増え、循環するシステムができたこと。
本当にあらゆる意味で大団円でした。
決して平たんな道のりではないけど、あの世界で生きていく人たちが、この先も1日1日を大切な人たちとともに愛おしみながら喧嘩しながら、普通の日常を幸せに暮していくだろう光景が、見えるような終わりでした。

キャラが生きてるていうのかなあ。どっか自分の知らないとこだけど、多分、アイツら今この時も元気にやってんだろうなー、と勝手に思いを馳せてます。



最後に。
杉浦先生、出版社の方、羅貫や千艸や警備隊のみんな、妖芽皇子たちもみんなみんなお疲れ様でした!最後まで読めて本当によかったです!
先生、素敵な話を本当にありがとうございました。


そしていつもいつも長い感想を読んでくださった方、感想に一言下さった方、本当に最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。感謝をこめて。


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