ksxx5

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「なぁなぁ、いつペナルティ取りに行く?」

やっと休み時間になって銀が言う。

「昼休みで良くね?」


























昼休み。


「しっつれ〜しま〜す」

銀はちゃらけた様子で数学準備室に入った。

「失礼します」

俺は普通に。
ヒル魔の席は職員室にもあるのに大概一人で数学準備室にいる。
ヒル魔は入口から入ってすぐのどでかい机にいた。

「お前らか」

ヒル魔がノートパソコンから手を離して俺たち二人を見やる。
プリントやら教科書やらが膨大に積み上げられた中からお目当ての物を探すの大変そう。
今にも崩れて来そうだ。
そう思っていたら。

「今日中にやれ。終わったら俺まで渡しに来い」

崩れることなく意外と早く出て来た二冊の分厚いプリントを一冊ずつ渡される。
うえ、こんなん今日中に出来んの?
無理じゃね?
銀も同じことを思ったみたいで。

「ヒル魔ぁ〜、今日中ってまじ?終わんなかったらどーするの」
「終わらせろ」

有無を言わせない言い方。
まじかよ…

「それと糞カメレオンはちょっと残れ。糞銀髪は行っていいぞ」

ぇ。
なんで俺?

「ご愁傷様〜じゃ、ルイ行ってるよ」

頑張ってねぇ、と意味が分からないことを言って銀はさっさと退散した。
残ったのは俺とヒル魔。

「…なんだよ」
「《なんですか》だろ。まぁいい。いつも80点代のお前がいきなり60点代ってどーした?」

言動はともかく、密かに男女共に(特に一部の女子生徒の中には熱狂的なのもいるらしい)ヒル魔は人気がある。
綺麗な顔してるし。
俺とヒル魔しかいない密室。
そんな場所で顔を覗き込むようにして近付けられると不覚にもドキドキしてしまう。

「………………っ、なんでもねぇよ。ちょっと調子が悪かっただけだ」

一気に捲し立てると数学準備室を飛び出した。
ペナルティのプリントをヒル魔の机の上に忘れて。























* * * * * *





























「…糞カメレオンめ、嘘バレバレ。しかもプリント忘れて行きやがったな……どーすっかな」

そう楽しそうに呟いてからノートパソコンに目を向けるヒル魔。
そしてキーボードに手を置いて途中だった作業を再開した。


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