ksxx5

http://nanos.jp/ksxx5/

pale



「終わったら連絡すっからワンコで出ろよ」
「…あーーー」


ワンコって。それじゃ奴隷時代と変わらなくねー?
ヒル魔を朝練のために泥門まで送って。


「‥‥‥‥‥‥」


帰ろうと、振り返れば。


「…お前、確か…」


十文字って名前のライン。


「ヒル魔はもう行ったぞ、遅刻したらヤバいんじゃねぇ?」
「‥‥‥葉柱、さん…ちょっと、いいですか?」
「…なんだよ」



RRRRRRRR…



途端に電話がかかってきた。
………ヒル魔だ。


「…はい」


早くとらねーと煩ぇから。ソッコーで。


『お前何してんだよ』
「何って…、」


うーん…?


『帰んねーのかよ』
「…っ帰るよ」


十文字に悪魔が帰れっつってっから、と断ってアクセルを踏んだ。



























「…つーかさあ」
「あ?」
「これいつまでやんの」
「煩くなくなるまでだろ」


それっていつだよ。
呼び出された泥門デビルバッツの部室。まだヒル魔はパソコンいじってる。
奴隷時代から言ってんのに聞かねーんだよ。終わってから呼べっつーの。


「‥‥‥‥‥」
「…ちょっと来いよ」


言われて部室の外に出れば、グラウンドの周りにいる女たちが黄色い歓声を上げた。


「あーすげーな相変わらず」
「チッ、」


ヒル魔は舌打ちをすると。


「突き飛ばしたりすんなよ」


言って突然キスしてきた。
歯列を無理矢理抉じ開けて舌を絡めてくる。そうすれば激しい水音が響いて。


「‥‥‥、‥‥っ、‥‥‥‥」


抵抗してんのに、ヒル魔の力は強くて。しかも力が抜ける。


「………、…………」


くち、と音を立てて。つぅ…、と透明に光る糸が俺らを繋いでる。
キャーとかギャーとか悲鳴みたいな声がグラウンドに響いた。


「―お、だいぶ静かになったな」


見れば、いつの間にか女子たちがいなくなってた。


「―に、すんだよっ!!」
「うるせーと帰れねぇじゃねーか」
「………、カッ…」


そうかも…しんねーけど。


「帰っぞ」


ヒル魔は何ともねぇよーな涼しい顔して。
俺が馬鹿みてーじゃねーか。


「………お前って、抵抗ねーのかよ」
「あ?別に減るもんじゃねーだろ」
「‥‥‥やっぱゲイ…?」
「うっせーな、両方イケるってだけだ、糞」
「‥‥‥‥‥‥」













































「…きす、されたんだよなあ」
「は!!?」


しかも、上手かった、し。俺の、兄ちゃん以外とのファーストキス、だったのに。
しかもディープ。


「ルイー?」
「葉柱さん…大丈夫すか?」
「………何かあったのかよ」
「テメッ」
「ヒル魔!」
「あーヒル魔。なんでいんの?」
「ちょっとなー。で?どーしたよ、お前らのヘッド様は」
「ルイがさー壊れてんの」
「あ?」
「キスがどうとかって」
「…あー…キスしちゃまずかったかよ」
「…ッ!!!!?」


いきなり、目の前にヒル魔の顔。


「…お前なあ。おかしいと思ったぜ、なんで携帯忘れてんだよ」
「…え?」


だってポケットに…あれ?


「ったく、ほらよ」


ヒル魔に携帯を投げて寄越された。


「え、てかなんでいんの??」


聞けば今日は自主練らしく。


「呼ぼうと思ったら携帯が鳴んじゃねーか。仕方なく届けに来てやった」
「あれは、取り巻き」
「少数だったし軽く撃った」


ハンドガンをくるくる回して。


「ま、賊学まで来たら近付こうともしなくなったけどな」
「つーかさあ、ヒル魔」


銀だけはヒル魔に脅えず、しかも対等に話しかけられる賊学では数少ない一人。
他の奴等は敵意と脅えがない交ぜになってる。仕方ねぇなー


「キスって?」
「あー」
「っちょ…!」
「可愛かったぜー驚いて最初は抵抗しないでやんの。気付いたときはもう遅ぇのに必死に剥がそうとすんだよ、真っ赤になりながら。目瞑ってんだけど涙が出そうで溢れねぇように堪えてたよなあ」
「わぁああああああああ」
「うるせーな」
「…ちょ、はなせっ」
「おら帰るぜ」
「カッ!!?」
「どーせもう終わってんだろ」
「まーね☆」
「「「「お疲れさまっす」」」」


ヒル魔に耳を塞いでいた手を掴まれて、半ば引き摺られるようにして部室を後にした。
誰か、一人ぐらい止めろ。



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -