嫉妬心
「―――で?」
ビルの間の薄汚れた裏路地まで来て問えば。
「ヤりてぇ」
既に誰に盛られたかは知らねぇが、葉柱はデキあがっていた。
戻った途端に恍惚した表情で見てきやがって。周りの目が狂喜に満ちているなんてことは気付いてねーんだよな。
それなのに見上げてくる眼にははっきりと色を含んで。
「‥‥なぁ、しゃぶっていい…?しゃぶるだけ…」
ジジ…、とジッパーを下げながら葉柱は地面に膝をついた。
「いっかい、だけ…ッ」
オネガイ、なんて言われたら。なあ?
「―ッたく」
ヤベ、にやける。まあ気付いてねーんだろうけど。
「ひるま‥」
うっとりと頬擦りしながらまだ反応を見せない自身を取り出して。
「ん…、」
舌先で丁寧に舐め始めた。同時にタマを触って。
裏筋を舐め上げ、亀頭に口付け、一通り舐め終わってカリから一気に咥え込む。
派手な水音を立てながら頭を上下させて。手はいつの間にか棹を摺り上げていた。
「………は、ッ」
とっくに俺のは勃ち上がりじゅぷっ…、とアツい粘膜に翻弄される。
葉柱の口腔は厭らしく蠢いて、必要以上に涎が垂れている。それを気にする様子も見せず、一心不乱に俺のを咥える姿は視覚的にもクるモンがあって。
「…いつも本気出せよ」
返しながら実はギリギリなのは葉柱にも伝わってるはず。
乱れたオールバックに指を埋めて催促をしてやると、深く飲み込まれた。
「出していーのかよ」
「‥‥っ‥ん…」
いいっぽい、のは分かったけどよ。
「…どこに」
「‥‥‥口」
ぽつりと呟いた刹那、葉柱の口が離れた。
「飲めよ」
「…ん」
「‥‥‥‥‥」
嫌にあっさり、拍子抜け。
そのまま飲み込まれた葉柱の口ン中に全てを吐き出す。
「―――、…」
葉柱はちゃんと全部を飲み干した。
「‥たまってた?」
濃かったらしく、言葉を紡いで仕上げとでも言うように亀頭にキスした。
「………まあ、最近ヤってねーからな」
「抱いて、ヒル魔」
「“しゃぶるだけ”って言わなかったか?最初に」
「フェラで終わるわけねーって分かってっだろッ」
意地悪く言ってやると逆ギレ。珍しーな、よっぽど欲しいらしい。
「ココでいーのかよ」
「い・っからァ…!」
ハヤク、なんて強請られて悪い気はしねぇ。
「下だけでいーから脱ぎな」
言い終わる前にズボンが重力に従って地面に落ちる。
やらしーケツ。それと。
「―お前んなモン履いて…」
「だって、」
「あーいい、皆まで言うな」
喋り出そうとする葉柱を遮って。
俺の目に映る生地面積が小せぇ紐パン。後ろから見ればT-バック。
廃れたビル壁に手をつかせて腰を突き出させる。紐を片方だけ解いて、葉柱が何処でも盛るから持ち歩くようになった滑油剤を取り出す。
「…ッは‥ァ…っ」
後孔に塗り込む度に葉柱が反応を見せる。
「お前うるせーんだから黙ってろよ?」
言って指を一気に進める。
「―ッ、!!!!」
ァん、とか聞こえた気がするが構わず二本目。
「…お前自分で弄ってただろ」
「‥‥‥ッ」
「明らかにぐずぐずなんだよ、俺じゃねぇのも喰ったか?あ゙?」
三本目を挿れて掻き回しながら聞けば。
「ひ、るま…しかッ…!」
「へぇ。じゃあ自分で弄ってたんだな」
「―っ、そ‥ぅ…だからッッ!」
いつもならなかなか素直にならねーのに。
今日はやべーな。
俺も結構キてっし、笑える。反対の手で扱きながら思った。
もうほとんど完勃ちでカウパーが出てる。
指を引き抜いて自身を擦り付けながら反応を窺う。
「―!も、ほし‥ッ」
ヒクヒクと飲まれそうになるのに逆らって、ゴムを取り付ける。
「ぁ‥・・ッ、」
一気に押し挿入って最奥を突くとナカが絡み付くように動いて。
「―――!」
葉柱は虫の息で、声を抑えてるんだと分かった。
薄暗い中で見えた声を耐える葉柱にキちまって、無茶苦茶に動く。
「‥‥‥、ッ…!‥‥っ‥」
葉柱の腰を掴んで打ち付けながら掻き回すように抉る。
「…、‥‥ッ……!」
軽く揺さぶればナカが締まって。
「っ、」
その衝撃に耐えれず、熱を吐き出した。
「‥もっかぃ、」
葉柱のナカから抜いて、ゴムを外し、後処理に取り掛かろうと思ったら。その手に葉柱の腕が絡み付いた。
「………、部屋まで我慢しろよ。俺も余裕ねぇから」
言っても動く気配がなかなかない葉柱。
「…お前、何回イった?」
葉柱の前の壁には葉柱が放ったと思われる大量の白濁。
「1回2回じゃねぇな…」
俺は前触ってやってなかった気がすンだけど。
「―‥‥‥待てって、」
ちょっと違うこと考えてた隙に咥えられた。まだ精液塗れのソレを丁寧に舐め取っていく。
「ン…、」
舐め終わってからも葉柱は口淫を止めなくて。そうすれば自然現象が起きるのは仕方無い。
「…たってきた」
「―部屋入ったらやるから。いつまでもこんなとこでヤるわけに行かねーだろ、」
「‥‥‥‥、」
窘めるように言えば漸く渋々、と言う感じで葉柱は身仕度をし始めた。