【会話文多め】
「うっ、ううっ…うわぁぁぁん、カラ松ぅぅぅ!」
「おわっ?!なっ…!どうした舞鈴!」
泣きながら勢いよく飛び込んできた舞鈴を怪我人の俺は支えきれずに尻餅をついた。舞鈴はなぜそんなに泣いているのだろう。
「どっ、どうしたじゃ、ないわよぉぉぉおお!」
ん…?怒られてる…のか?
「…舞鈴?」
「一週間も、どこに…言ってたのよっ…」
ああ、違った。心配させてしまっていたのか。
「あぁ…すまん。気がついたら病院だったんだ。」
目を開けたら真っ白な天井で、そこが病院だって理解するのに少し時間がかかったのを覚えている。
「で、でも…無事に戻ってきて、よかったぁぁぁ…!」
ホットした顔をする舞鈴を見て、思っていたよりも心配させてしまっていたんだなと思ったら舞鈴の事が愛おしくてどうしようもなく触れたくなった。
「舞鈴…」
ーーーギュッ
「えっ!」
「なぜか無性に名前を抱きしめたくなったんだが…片手でしか抱きしめられなくてすまない。」
「そんなの、気にする必要ないよっ…!」
ああ、俺はやはり舞鈴の事が大好きだな。可愛くて愛おしくてしょうがないようだ。
「ははっ、ありがとう。」
「それより、その傷はどうしたの?」
「ああ、これか?これはマイブラザー達に…」
確かバットとか石臼とか危険物諸々を2階から顔面めがけて投げられてできた怪我だな。俺はあの日に、自分が兄弟達にとって梨以下だということが分かってしまったんだ。ショックだったな。
「……そう。あのクズニートたちにやられたのね。」
「え、ちょ、舞鈴?!」
なんか舞鈴が怖いぞ。なにか企んでいるのか?俺が余計なことを言ったばかりに…すまないマイブラザー。でも、それだけ俺は舞鈴に愛されていると思うとなんだか悪い気もしないものだな。