松野ファミリーの次男
ここは松野ファミリーの拠点地。いわゆるアジトというやつだ。大抵仕事の後はここに集合する。別に集合する義務とかはないけれど、大体次の仕事の依頼が来てるし武器とか片付けなきゃだしじゃあ集合するかってなる。
「お〜い、チョロ松〜!」
「あ、みんな。お疲れ様。」
「俺だけ出番なくて、寂しさで心臓がキュッてなったわ!仲間外れかよ!」
「しょーがないだろ!おそ松兄さんの出る幕じゃなかったんだから!なんでそこで仲間外れって考えになるんだよ!」
漫画だったらフキダシが追いつかないくらいの勢いで口喧嘩をしはじめる二人。大低こういう時はカラ松兄さんが止めに入る。っていうかヒートアップした時に対処できるのはカラ松兄さんしかいない。
「カラ松兄さん、止めに入ってよ。」
「そうだな。トド松、いざとなったらみんなを避難させてくれよ。」
「了解。」
怖気付く事もなく普通に二人の間に入っていくカラ松兄さんはちょっと頼りになるなぁなんて思ったり。普段はイタイくせにこういう時カッコイイからズルいんだよね。だから舞鈴もカラ松兄さんにベッタリなんだよ。
「…っ!カラ松邪魔だどけ!」
「カラ松っ!間に入ってくんな!」
うわぁ、ヒートアップしてる。あんな小さなことでここまで喧嘩できるおそ松兄さんとチョロ松兄さんが逆にすごいよ。ていうか、これ避難すべき?まだ大丈夫かな…
「二人とも……いいかげんにしろっ!!!」
滅多に怒ることのない、ましてや怒鳴ることのないカラ松兄さんが怒鳴りながら二人の頭を叩く。第三者目線だから言えるけど、これすごい迫力だよ。カラ松兄さん役者とかになれそうだよ。
「って!」
「いたっ!」
「弟達が見てるんだ。少し頭を冷やせ。」
「……すまん。」
「……ごめん。」
「ああ、わかればいいんだ。さあ、次の仕事内容を確認するぞ。」
普段はチョロ松兄さんが指示を出してテキパキと仕事内容を確認するんだけど、こうなってしまっては一時はおそ松兄さんもチョロ松兄さんも使いものにならない。そういう時はカラ松兄さんが指示を出して確認作業をするのが当たり前になっている。元々兄貴気質な所もあるし、頼りになると言えば頼りになる。
「次の仕事は…最近日本に進出してきた外国のギャングの撤退又は始末だな。」
「外人?!やきうするかな?!」
「野球はしないぞ、十四松。」
「じゃあ握手するかな?!すっげーデカイかな?!」
「握手はしないと思うよ、十四松兄さん。」
「ガタイはいいかもね、ヒヒッ。」
外人かぁ。ちょっとやりにくいんだよね。情報も英語ばっかで理解に時間かかるしスムーズな流れを作りにくいんだよね。兄さんたちは何だかんだ頭いいのに英語使うのなんて相手を挑発する時だけだからいいよね。
「相手は外人だから戦力が欲しいな…舞鈴、行けるか?」
「うん、大丈夫だよ!任せて!」
「頼む。後は十四松と一松もこっちだ。」
「はいよ。」
「頑張りマッスルマッスル!」
やっぱり戦力が必要だし、情報の方には誰も回ってくれないかな。ひとりだったらちょっと不安かも。
「おそ松は当たり前だがこっちだ。チョロ松、お前はトド松の方に回ってくれ。チョロ松は英語が得意だからな。トド松も誰かと一緒の方がいいだろう?」
「カラ松兄さん!ありがとう!」
「トド松、よろしくね。」
「うん、よろしく!」
こうして次の仕事の段取りが終わった僕達は普段着である松パーカーに着替えてアジトを一人ずつ出る。大勢で出ていくとアジトがバレる確率が上がるからと僕が提案したのだ。一人ずつ出ていくと大抵みんな家に直行はしないらしく、フッと姿を消すんだよね。まあ、パチンコとか競馬とか橋の上とか本屋とか裏路地とか川辺とかなんだろうけど。
「それじゃあ、解散だ。」
おそ松兄さんから時間差で順番に出ていく。今日はどこに寄っていこうか。そう言えば駅前に新しいショップが出来たって聞いたし、そこに行ってみようかな。
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