06

「ム…校長先生、名前がビックリしてますわ。」
「Oh, I'm sorry! 綾崎舞鈴サン、デスネー?」
『は、はい!』
「フッ…くっ…ど、どんだけ緊張しとんねん…」
『え、あ、いや…』
「Oh, キミガ笑うのハ、メズラシイデスネ!」
「っ!余計なこと言わんといてください。」
『え、そうなの、か…?』
「ちっ……」

え、何か舌打ちされた…?!
私悪いことしたのか?!
いやいや、してないだろ!!!

『あ、ところで…』
「ん?ナンデスカ?」
『俺、どこのクラスなんですか?』
「んー、ドコデモイイけどネ!」
『いやいや…』

どこでもいいけどね、ってテキトーすぎじゃん!
校長こんなんでいいの、大丈夫なの?!
この学校めっちゃ不安なんだけど…。

「じゃー、アミダクジでキメよう!」
『はぁ…?!』
「ハーイ、引いてクダサーイ。」
『え、じゃあ、これで…』
「何組っすか?』
『えーっと…3年2組だって。」
「うわっ、ないっすわ〜。舞鈴先輩、悪運の持ち主っすね。」
『え、え、何でだよ?』
「OK、3年2組の先生には連絡しといたカラネー。もう行ってもイイデスヨー。」
『はあ、ありがとうございました。…失礼します。』
「失礼しますわ。」

私が悪運の持ち主ってどういうこと?
なに、3年2組って変なクラスなの?

「気をつけて下さいね、先輩。あのクラスには、やたら感が鋭い自称イケメンの変態部長こと白石先輩と、自称スピードスターでただのアホな相方、謙、じゃなくて、忍足先輩がおるんで。」
『へ、へー。たしかに、感が鋭いのは気をつけた方がいいかもね…』

先輩なのにこの貶し様はなんだろう。
仲が悪いのか、悪すぎるのか?!
もしくは仲が良すぎるだけなのか、なんなのだ?!
まあいいや、そのうち分かるだろうしね。

「あ、ここっすわ、3年2組の教室。覚えました?」
『あ、うん。多分大丈夫。』
「ほな、また休み時間来ますね。聞きたいことあったら、何でも聞いてください。先輩らはアテにならんので。」
『わかった!んじゃ、またな!』

相当信用されてない先輩なんだな。
あ、あれか、(遠慮を教えない先輩)って奴が、その人たちなのか!
きっとそうなんだな、うんうん。

「何をしている、入ってええで?」
『あ、はい、すいません。』
「「「クスクス…」」」

考え事はするもんじゃないな。
自分ワールドに浸ってしまうからな!!!

「よーし、こいつが転校生の綾崎舞鈴や。みんな、仲良くしたってな。」
『綾崎舞鈴です。東京からきました。好きなことはスポーツ全般、教科は英語。苦手なのは付き合いにくい人。これからよろしく。』

こんなんでいいのかな?
でも、すっごく静かなんだけど、シラけた?
私がシラけさせた、マジで?

「い、イケメン…!」
「きゃー!」
「仲良くしたってー!!!」

おおっと!!!
女子からの盛大な拍手と、男子からのあからさまに嫌そうな気だるそうな拍手が起こった。

「白石くんや、謙也くんに負けへんくらいイケメンやな!!!」
「おん、めっちゃイケメンや!」

おお、意外と男装にあってんじゃん、私!
やっぱこれも女優魂ってやつかな?

「ほな、お前の席は、白石の後ろや。3人でイケメンワールド作っとけ。」
「白石くんの後ろってことは、謙也くんの隣やん!」

へー、イケメンは固まってるもんなんだな。
てか、謙也って誰?白石はさっき聞いたけど。

「こっちです。」
『あ、おう。』

気が利く人だ、いや、普通か。
手をあげてくんないとわかんないもんね。

「俺は白石蔵ノ介や。仲良くしたってや?」
『へー、君が白石くんか。あいつによると“やたら感が鋭い自称イケメンの変態部長”らしいじゃん。』
「え…?あいつ………?」
『そんで、忍足君は?』
「え?俺やけど…?」
『ふーん。あんまスピードバカのただのアホには見えないけどなー。』
「はぁ…?!」

んー、光くんの言ってた先輩っていうのとイメージが違う。
まあ、第一印象(外見)は悪くないね。
あとは、どんな感じの性格なのか、ってところね!

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