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「自分、四天宝寺の生徒なん、か…?」
『いやいや、今日転校してきたばかりだから。じゃなきゃ迷わないし。』
「それもそうっすね。あ、ついてきて下さい。俺も四天宝寺通ってるんで。」
『ほんとに?!よかったー、転校早々遅刻とか最悪だから、助かったよ!』
「そーですか。ところで、自分やっぱすばr『断じて違う絶対違うすっごく人違いだからぁぁぁああああ!!!』………そうやって隠すところがまた怪しく見えるんやないですk『ところで君名前は?((汗』………財前。」
『へっ?ぜんざい?』
「ちゃうし、財前やから。財前光や。」
『あー、光くんね、覚えておく!』

しっかし、迷ったのにもかかわらず、四天宝寺の生徒と遭遇しちゃうなんて!
私ってなんてラッキーなんだ!!!
そして何気に初の“友達”というものをつくろうとしている!
今まで友達なんていなかったから、ちょっと、否すっごく新鮮!!!

「ほなあんた、名前は?」
『え、あぁ、私はすばっ…!じゃなくて、綾崎舞鈴。』
「今、すばって聞こえたんすけど、本当に昴美陽じゃないんすか?」

この人めっちゃいい人だけど、めっちゃしつこい!!!
そんなに昴美陽だと言って欲しいのかえぇ?!
それ言ったって何も変わらないっていうの!!!

『人違いですよ?((汗』
「…ほんまですか?冷や汗かいてる風に見えるんやけど…。」

そりゃそーだ、ばれたらどーすんねんこのヤロー!
お前がしつこく聞いてくるからや、原因はお前や、お・ま・え!!!
あ、関西弁が出てしまった。

『せやからちゃう言うてるやろ?!なんぼ言えばええねん!』
「え…大阪、弁…?自分、大阪の人なん?」
『え、あっ、うん。』
「ほな、なして標準語なんや?」
『あぁ、それはね、私の両親は大阪人で、私も7歳までは大阪に住んでたんだけど、晴れて芸能界デビューすることになって東京に行ったから標準語の方が慣れてるってわけ。……………!!!』
「へぇ…そーですか…((ニヤ」

し、しまった!!!
自分から自爆装置踏んでしまった、地雷や地雷!
光くんすっごく“してやったり”って顔してる…

「ほらな、やっぱ昴美陽やん。まさか、ほんまもんの昴美陽に会えるなんて思ってへんでしたわ。」
『そうでしょうね、普通に考えたらその辺をウロウロしてるわけないですからねぇ。』

芸能人がウロウロしてたら普通に記者に捕まるからね、東京だと。
滅多に会うことはないでしょうよ、本物になんて。
2.5次元の世界の人、とか言われてるけど、いや、普通に存在してますからね!
普通に3次元彷徨ってるからね、芸能人!
芸能人とか、遠いようでめっちゃ近いから。
小学校とか一緒だったら知ってる子もいるだろうし、うん。

「せやけど…」
『ん?』

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