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『やっと合宿終わったー!』
「せやなあ。何やこの賑やかさ久々な気するわ。」
「氷帝は何でも豪華で落ち着かへんかったし。」

数日ぶりの教室でお馴染みの、てか既に見飽きたメンツで駄弁る。相変わらず女子から黄色い声援を浴びる2人にはある意味尊敬する。毎日毎日…女子の皆さんもそろそろ飽きないのだろうか。

「せや、綾崎!」
『お、おうっ…唐突に大きい声で呼ばれるとびびるんだけど、なに?』
「綾崎ってイケメンやん?」
『おう……はっ?え、なに急に。思わず頷いちまったけど!』
「しかも」
『俺のツッコミ無視かい!』
「まあまあ。そんでな、しかも美形ときた。」

もう突っ込むまい。てか、なんで謙也ってそんなに脈絡のない会話を突然し出すのだろう。されたこっちは反応に困る。まあ、今に始まったことではないが未だに驚く。

『はいはい、それで?』
「もっと楽しそうに聞いてや!!」

あ、そこは突っ込むんだ。スルーしてくれると思ったのに。

「まあええわ。そんでな、」
「舞鈴、おります?」
『あ、光!』
「ちょお、俺の話まだ途中…」
「すんませんけど、国語の辞書貸してくれます?急な授業変更で持ってきてないんや」
『いいよ。……はい、どうぞ!』
「おおきに。ほなおじゃましました。」

今日は朝から光に会えてラッキー!急な授業変更をありがとう!!おかげで今日1日頑張れそうだ!神様仏様授業変更様様だよ!!!

「俺の話…」

あ、そうだった。光の登場によって遮られた謙也の話がまだ途中だったんだ。白石に慰められつつしょぼんとしてる謙也を見ると流石にちょっと可哀想になったくる。

『それで?謙也の話の続きは?』
「そ、そんでな!!」

途端にパァっと明るく顔を上げる謙也。いや、どんだけ話したいねん。あ、大阪弁になってる。

「舞鈴に女装して貰いたいねん!」
『お……はぁ?!!え、いや待てよ。なんで急にそうなった?!つかそれ?!言いたかったのそれかよ!』
「なんや、おもろそうやなぁ。」
『そこで白石乗っからんでええわ!』
「ホンマ1回だけでええねん!お願いや!」
『ちょっ、嫌だ!つかそもそもなんで女装しなきゃなんだよ。』
「……いや、それがな…」

額に冷や汗をかく謙也。だいたいこういう時の謙也は調子のいいこと言って失敗した時だ。嫌な予感がするってか嫌な予感しかしない。

「ちょお、嘘ついてしもてん。」
「は?謙也が嘘?なんや珍しいこともあんのやなぁ。」
『いや、それと俺の女装とどう関係あんねん。』

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