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『最悪だぁぁああああ!なんで?なんで?!』
「しゃーないやろ。あれだけハンター放出されれば、誰だって捕まりますわ。」
「そっすね。後ちょっとのところまできてたから悔しいけど。」

……………捕まりました、はい。もうアッサリと。御察しの通り、ミッションは後もう少しのところで時間切れ。タイムオーバーでした。あと一つ、あと一つだけだったのに!悔しい本当に!

「惜しかったなあ、財前ら。」
「せやな。あれは惜しいでホンマ!」
「ハッ、誰も景品をGETできねーとは、大したことねーなぁ。なあ、樺地?」
「うす。」
「いや、お前が言うなや!俺らより先に捕まっとったやんけ!」
「せやせや!ワイ、景品めっちゃ欲しかったわー!」
『ごめん、金ちゃん。』
「別に、舞鈴は悪くないっすわ。」
「そーだよ。それに、あんたもわがままなんじゃない?」
「うー、コシマエー…」

相変わらず上から目線でものを言う跡部財閥のお坊っちゃまと樺地、四天宝寺のBIBLE、スピスタ、天才、ゴンタクレと、それからリョーマと俺で雑談中。変な組み合わせだって?いや、知らないけども。

「そろそろディナーの時間だ。行くか、樺地。」
「うす。」
「ほな、俺らも行こか。」
「やったでー、めしやめしー!ぎょーさん食ったるでー!」
「ハハッ、相変わらず金ちゃんは大食いやな!」
『はー、俺も腹減ったぜー。流石に今日は腹減ってやべえ。』

ホールへの廊下でさえも既に美味しそうな匂いで充満していた。今日はたくさん動いて疲れたし、美味しいもの食べて寝よう。あー、その前に風呂だな、風呂。ん?あれ………

『そういえば、リョーマは?』
「越前は桃城と、ほら、あそこにおるっすわ。」
『あ、ほんとだ。』
「あの二人、ホンマ仲ええよなぁ。なあ、そう思うやろ?白石も。」
「せやなあ。傍から見れば同学年の友達、やな。」

うーん、確かに…。え?同学年じゃないのか???マジかよ、てっきり同学年だと思い込んでたわ俺。いや、まあ確かに身長差とかすっげーあるけど。その、ほら、そこは触れてはいけない気がしたし?あえて疑問に思わなかったけど。

『その、桃城って、中2なのか?』
「は?え、まあ、そっすね。」
『マジか、リョーマと同学年だと思ってたわ…』
「いや、どう考えてもそれはおかしいやろ!」
『謙也におかしいとか言われた。地味に凹むんだけど。』
「なんでっ?!なんで俺に言われると凹むねん!」
「そら、謙也さんがアホやからっすわ。」
『うんうん。』
「俺泣くで?なあ、泣いてもええ?」

謙也ってやっぱ、メンタル面弱くね?まあ、だからこそ弄り甲斐があるんだけど。その点、白石は恐ろしい程に精神が安定している。中学生じゃねーだろ。

「うわー、すっごいで!なあ白石!どれ食べてもええんか?!」
「金ちゃんがええ子にしとったら、どれ食べてもええんやで?」
「ワイ、ええ子にしとる!」
『なあ光、あっち座ろうぜ。』
「そうですね。」
「俺も混ぜてやー!」
『まあ、謙也ならいいか。』
「ちっ」
「えっ、二人とも俺の扱い酷ない?!」

あー、やっぱ面白いわ謙也。そして、相変わらずマイエンジェルはかわいいなあ。さて、食事を取りにいくとするか。

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