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「青学はそこの掲示板。立海は柱。四天宝寺はあっちの廊下の掲示板。氷帝、テメーらは俺様について来な!」
『俺らあっちだってな!』
「せやな、見に行こか。」
あっちの廊下の掲示板って遠っ!
うわー、こりゃ体力削れるわー、死ぬかもしれん!
って、そりゃないか。
『つか、謙也だけ他校とじゃん!』
「あー!ほんまやー!げっ、しかも侑士とかい!」
「ははは、流石従兄弟。まあ、身内なのはよかったんやない?」
「ははは………せや、な。」
うわー、謙也かわいそー。力なく笑ってるよ。
朝のあの眩しいくらいの笑顔消えちゃってるよ。
ていうか、従兄弟だったのか!世間は狭いっていうか、日本は狭いね。
『んーっと、俺は………』
「俺と一緒っすわ。」
『あ、光。………ほんとだ。よろしくな、光!』
「こちらこそ。」
やーったやった、光と一緒とか超嬉しい!
何の心配もないじゃん!女だってばれてるし?ましてや私があの昴美陽だってことも。
よし、今日から一週間、マイエンジェル光は私のものだフハッハッハ!
「ほな、荷物運び入れません?」
『あー、そうだな!んじゃ、俺ら先に行ってるから!後でな。』
「ええよー。あ!綾崎ー、コケんなやぁ!」
『コケねーよ!謙也こそコケて荷物ぶちまけるんじゃねーぞ?』
「せえへんわ!!!」
部屋へ向かう私たちの前に立海の集団が歩いていた。
……………遅っ!え、ちょっと邪魔なんだけどなー。
「あれ?君たちは………四天宝寺の財前くんに、マネージャーくんかい?」
「どうも。」
『え、あー、はい。』
さっきの怖い人だぁぁぁぁぁぁああああ!
どうしよう、何で話しかけられたの?
「フフッ、やだなぁ…俺は怖い人なんかじゃないよ?」
『あ、そうですか。』
………ん?あれ?今の言葉にしてたっけ?
バッと光の方を向いたら、首を横に振られた。
うん、口には出してなかったらしい。
え?じゃあ何で………?
「まあ、細かいことは気にしない気にしない。」
『はあ………』
いや、全然細かくないと思うけどね?
寧ろ今の時点では結構重要だと思うんだけど!
「で、何のようなんです?」
ナイス!マイエンジェル光!
まあ、光の性格からしたら早く部屋へ行きたいんだろうけど。
「あぁ、うん。特別用があるわけじゃないんだけど。そこのマネージャーさんと仲良くなっておこうかなと思って。」
『は?俺と?』
“うん”と答えたその人は何考えてるのかイマイチつかめない。
にしても、テニス部ってイケメンぞろいな学校ばかりだなぁー。
やっぱ、テニス協会ごとアイドルでもやったらいいと思う。
「君も十分綺麗な顔立ちをしているよ?綾崎くん。」
『あ、ははは………どーも。』
「あの、もういいっすか?」
「あーうん。ごめんね?俺は幸村精市。覚えておいてくれると嬉しいな、綾崎くん。」
『幸村でいいか?……俺らそろそろ部屋行きたいから。じゃあな。』
何だったんだろうか。
まあ、知り合いが多くなるのはいいことだし、別に嫌じゃないけど。
隣の光が部屋に行けなくてイライラし出しちゃったっぽいし、抜け出せて良かったよ、うん。
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