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「着いたでーーー!コーシーマーエー!!!」
「うるさ………」
『うぅっ………おえ………き、気もぢ…悪っ………』
「大丈夫か?ほれ、水持ってきたで。」
『さ、サンキュー、謙也………うえ………』
「謙也さん、後は俺が見てはるんで。部長のサポートに行ったってください。」
「え、あー…おん。わかったわ。ほな、頼んだで。」

情けない………申し訳なさすぎる。
あれ?バスってこんなに酔う物だっけ?
いつもロケで乗ってたじゃん、バス酔いしたことなかったじゃん。
山路なめてたぜ、フッ………気持ち悪………おえー…

「背中さすったりますわ。」
『ううっ……ありがと……はぁ、ほんと情けない……』
「そないなことないと思いますわ。」
『………』
「しゃーないことやってあるんです。気にせんといた方がええですよ?」
『う、ん………そうだね、ありがとう。………うん、もう大丈夫っぽい。』
「ほな、向こう行きましょか。」

なんか、光だと落ち着くな、安心する。
やけに説得力があるし、光が言うと正論な気がしてくる。
まあ、正論しか言わないと思うけど。
ていうかさ……………

『広っ!!!え、デカくね?』
「無駄に広いんが、ここの特徴っすわ。下手したら迷子になるんで、気付けてください。」
『が、がんばります。』

こんなに広いとは、流石に思わなかった。
ていうか、合宿所でしょ?別荘って言ってたよね?
別荘でこんだけ大きいとか、本館はどれだけ大きいのだろうか。
全く想像もつかないんですけど!
まったく、お金は大事に使えよ金持ち共め!!!
私なんて、自分で頑張って稼いでも、給料は少ないんだからな!
あんな事務所、仕事さえ取れなかったらとっとと辞めてたのに……!
まあ、今更なに言ってんだって話ですよね、分かります。

「全校集まったか。よし、集合だ。マネージャーは壇上へ。」
『おっと、俺いかねぇと。んじゃな!』
「コケへんでくださいよ。」
『分かってるって。』

しかし、あの壇上のアイツが跡部財閥の息子で主催の氷帝テニス部部長か…。
うん、見たことある
や、やっぱこの人のことだったのか…!
聞いたことある名前だとは思ったけど、まさか失踪3日前に私が取材した財閥の坊ちゃんだったとは………。
なんてこった…バレマセンヨウニ。

「次は四天宝寺のマネージャーだ。開催してから初の男子マネージャーだ。」
『………四天宝寺のマネージャーの綾崎舞鈴です。極力サポートするんで、よろしく。』
「舞鈴くぅぅぅん!」
「浮気か、小春うううう!」
『うっわ、アホ氏うっさ。』
「アホ氏ちゃうわ!』

ほんと、やめて欲しい。気分を害する、というのは言い過ぎだから言わないけど。
勝手にホモってればいいものを。
そう言えば、やっぱマネージャーは女の子ばっかりなんだね。
当たり前か。男がやりたがるわけないもんね。
ただでさえむさいのに、マネまで男とか更にむさくなるだけだもんね。
まあ、私は中身は女の子ですから!って、光以外知らないけど。

「男子マネージャーか………四天宝寺も面白いことを考えたね。今度俺たちも取り入れてみようか。」
「幸村部長ぉぉぉおお?!俺は嫌っすよ!」
「流石に俺も、それはちょっとむさいかなって思うぜぃ。」
「え、何?文句があるのかな?((黒笑」
「いえ、何もないっす!いいと思うっす!」

わー、なんか黒ーい((棒読み))
怖っ!今の恐怖じゃん!
立海が常勝な理由が少し分かった気がしなくもない。うん。

「男子マネージャーでも四天宝寺がむさ苦しくない理由の一つに、お笑いが関わってる確率100%」
「流石乾だね………どうかな?青学うちにもお笑いを取り入れてみるのは。」
「うむ……不二の考えもいいが………誰がお笑いをできるというのだ?」
「……………無理っすね。」

え、青学さん、お笑いのセンスないの?!
つまんなくない?毎日何を楽しみに生きてるの?

「せやけど、男子マネージャーはええ考えやと思うで?」
「はあ?侑士は何でそう思うんだ?」
「なんや、岳人。そんなんもわからへんのか?」
「んだよそれ。」
「まあええわ。後で説明したる。」

わーお、氷帝すげー。
なんで関西人いるの?何故?顔が広いなー。
しかも、低音エロボイス………毎日は聞きたくない声だよ。

「よし、それでは部屋割りを発表する!」

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