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※ほぼ、白石の思考回路です。会話は少ししかありません。

なんやろ、このつっかかる感じは。
何かが可笑しい、ちゃう気がするんや。
こう、何て言うんやろ………違和感っちゅーのかな。
綾崎くん、何かが変なんや。

綾崎くんはやたら財前を気に入っとる。
あれは、なんちゅーか異常や。
友達として気に入っとるっちゅーよりかは、愛情に近い。
その愛情が、親しみを込めたものなのか、恋愛的なもんなんかはイマイチやけど。
それに、財前も財前や。
ユウジと小春がコントでイチャコラやっとんのはホンマにウザったい目で見て蔑んでる感じなんやけど、綾崎くんが財前に対して同じようなことやっても、何も言わへん。
寧ろ楽しそう………いや、嬉しそうにしとる。
なんや、この違和感と矛盾は。

「どないしたん、白石?そんなしかめっ面しよって。」
「え、あぁ、ちょっとな…まあ、なんもないで。大丈夫や。」
「さよか?ほな、俺こっちやから。」
「おん、また明日な。」
「おん!じゃーな!」

謙也は何も感じてないみたいやけど………って当たり前か。
鈍感やもんな、あいつは。親友の俺が一番知ってるわな。
まあ、そんなんはどーでもええことやけど。
今はあの綾崎くんの違和感の方が大事や。
矛盾が矛盾を生み出して、よお訳わからん事になっとる。
でも、あの綺麗で整った顔………何処かで見たような気するんやけどなぁ……
何処で見たんやったっけ。………分からへん、覚えとらん。
ほな、綾崎くんは何であないに部室に入りたがらなかったんやろ。
何か不都合なことでもあったんやろか。
財前も変な行動とっとったしなぁ。
なんやねん、アイマスクて。そないなもん預けるなや。
しかも、目隠しみたいにつけさせよって。………ん?
目隠しみたい………そうか!あれは目隠しするためか?
でも、何で………

「あー!もう、分からん!止めや、止め止め!まだ情報が少なすぎるっちゅーねん!考えても分からへんわ!」

諦める白石であった。

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