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「ほな、今日の部活は終了な。」

白石の一言で、ゾロゾロと部室へ戻る部員たちを見送る私。
まあ、流石に着替えるところまでついて行く気にはならない。
な、ならないんですけど………

『な、ななな何で俺まで連行されなきゃいけねーんだよ!』

白石に手を引かれて連行されている。
ちょ、本当無理!そんな変態チックな趣味、私にはないんだよ!

「いや、話ときたいことあんねん。着替えながら話したら、時間に無駄がでけへんやろ?」
『話すくらいいつでもいいだろ。』

無駄って、どんだけ時間必要なの!
数分で済むなら今話してよバカ石め!

「まあまあええから。」

お前が良くても私が良くないんだよ!
自分基準で決めるなよ、人のいうこと聞かないって自己中だとおもいまーす。

ガチャ

「さ、入り?」
『……………』

下を向いて、渋々といった感じで足を踏み入れる。
あぁ、お父さんごめんなさい、もうお嫁にいけないかもしれません。
沈んだ気持ちであげようとした顔……目の前が真っ暗になった。
あ、あれ?なんで前見えないの?

「すんません。舞鈴、俺が着替え終わるまでそれ、持っとってくれはります?」
『え、あぁ、おう。』

“アイマスクや。着けとき。”
そっと耳打ちしてくれた光を天使と思わずしてなんと思えよう。
私の正体を知ってるっていうのもあるだろうけど、ちゃんと女の子って思ってくれてることが嬉しかった。
光が気にかけて、心配してくれてることに心があったかくなった。
………ん?嬉しい?………心があったかい?
何でそんなこと思ったんだろう。

「せや、話っちゅーのはな、」

シコウカイロニジャマモノガシンニュウシマシタ。シコウヲテイシシマス。
あ"ーーーーー!停止しちゃったじゃん!
空気読めよ白石。

『ん、なんだ。』
「明日の合宿の件なんやけど。」
『うん。』

…………は?明日………の、合宿………?
何処に?誰と?何で?何しに?てか誰が?

「集合h」
『マテマテマテマテ!なんの話?合宿?え、何それ誰が何の為に?』
「あー、せやった。説明せなアカンな。」
『いや、忘れんなよ。一番重要だろ。』

やっぱ自己中だ。
私の中で白石という人物像が出来上がった。

白石=エクスタ変態自己中部長。

「跡部………東京に氷帝学園っちゅー学校があって、そこのテニス部部長が跡部財閥の御曹司やねん。毎年この時期になると合宿があってな。四天宝寺のテニス部も参加することになってんねん。それが明日行われるんやけど。」
『うん、つまり、いいとこの息子さんが開催している合宿だな。』
「ははは、まあ、せやな。」
『それで?』
「マネージャーも、いる学校は連れて行かなアカンねん。」
『はあ?男でもか?』
「おん。せやから、綾崎くんにも来てもらいたいねん。で、集合が此処に6時やから早よ起きてな?」
『ちょ、え………はあ!?』

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