「舞鈴ー!ここ、上手くできないんだけど、教えて!」
「いいよ。どこ?」
今は部活の時間。
こういう時に限って1日が短く感じて、もう放課後か…と沈んでいるところ。
私は家庭科部の一応部長。
勝手にさせられただけなんだけどね。
「ほら、ここ。レシピ通りにやってるんだけど…。」
「いいのよ、こういうのは。特にレシピ通りにやらなくても全然問題ないわ。」
「あ、そうなの?じゃぁ、テキトーでいいんだね?」
「そうよ、こういうのはテキトーでいいのよ。」
色々考えながら作ってたから、自分が何作ったのかも覚えてない。
ま、別にいいんだけどね。
誰が食べるわけでもないし。
「お、美味そうっすわ。」
「は?」
え、ちょ、この人何勝手に人のモノ食べちゃってんの?
しかも、私のだし。
何作ったか覚えてないような人が作ったものだし。
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