「やー、お待たせ!」


『…!?』


私がため息をつきながらノートを返して貰えるのを待っていると、いつの間にか高尾くん、宮地さん、木村さん、大坪さんが私の目の前にいた…


「このメモを取ったのはお前なんだってな?」


『は、はい…』


な、なにを言われるんだろう…


私はビクビクしながら返事をした


「ふむ…」


「どう思う?宮地」


「こいつバスケ初心者なんだろ?初心者なのにここまで的確に書けるのはすげえんじゃねぇの?」


「…ふむ、確かにそれは一理あるな」


『は、はあ…』


み、宮地さん達に褒められた…!


と内心喜びつつ、こんなほぼメインキャラと喋るイベントははじめてなので、緊張してしまう


「確かになぁ…初心者だからこそ見て分かるところもあるのかもな」


「だな」


なにやら先輩三人組が話している


「ほらほら、みんな江藤さんのこと褒めてるぜ!」


と高尾くんが耳元で小声で囁いてくれる


『そ、そうかな…』


頬を染めつつそう返すと


「そうだって!」


と高尾くんが自信ありげに返してくる


『そっか…ふふ、ありがとう!』


「いーえ!」


高尾くんがにっかりと笑う


やっぱり高尾くんは優しいな…


そう思った


「…江藤」


『はっ、はい!』


木村さんに名前を呼ばれ、びしっと背筋を伸ばす


「お前、なにか運動をやっていたことはあるか?」


『え?えっと…小さい頃から、スイミングを習っていました』


なんでだろうと思いながらそう答えると、考え込む木村さん


そこへ、顧問の先生がやって来た


「どうした。…と、お前か、江藤」


『は、はい…』


消え入りそうな声で返事をすると、先輩方が不思議そうに私と監督さんを見比べた


「…お前、監督と知り合い?」


『…知り合いと言うか…あはは…』


「あぁ、最近の差し入れは彼女が作ってくれているんだよ」


『ちょっ…!』


何事もなく言ってのける監督さんに、私は慌てる



モブに徹したいのに…!



案の定、その場の全員からの視線が私にグサグサと刺さる


(…こ、この場から消えたい…!)


そんなことを考えて、私は泣きそうになっていたのだったー…





バレちゃった

(モブに徹したいのに…!)

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