あれから、"今度は俺が教えてやるよ"と私の勉強会を行い、お互いがバッチリ勉強した後


…そう、私の勉強会の数日後にテストが行われたのだ










「ー始め」


先生からの合図で裏にしていたテスト用紙を表へと返す


この科目は高尾くんが苦手な科目だったが、大丈夫だろうか…


そんなことを考えながら、私は問題を解きだした


その次の科目は、二人とも苦手でもバッチリでもない科目


だが、二人で知恵を出しながら勉強したから大丈夫だろう


そして、その次の科目は、私の苦手な科目だった


…しかし、高尾くんのお陰で難なく解くことができた


ありがたい…


そうして、解けたり悩んだりしながらテスト期間を過ごした







ー…そして、テストが終わった日の放課後


「江藤さん江藤さん!」


『あ、高尾くん!お疲れ様!』


高尾くんがテストの際に座っていた席から私の席へ移動してくる


「なーなー聞いてくれよ!江藤さんに教わったとこ、するする解けてさ!すげぇよ!」


『そういう高尾くんも凄いよ!私も高尾くんに教わったとこ解けたし!』


「ははっ、そら良かった!じゃあお互い良かったんだな!」


『うん!』


高尾くんの笑顔に、私も微笑み返す


「じゃあ、お疲れ様ってことで、またマジバ寄ってこうぜ!」


『うん!いいよ!』


その日は、マジバに寄って、プチお疲れ様会をしてから帰った










…その翌日


私は放課後に家庭科室を借りて、お菓子を作っていた


高尾くんへのお礼だ


小麦粉を振るっていると、少し前の出来事を思い出した


ー…


家庭科室で調理をしている時、誰かが見ていたのか、家庭科室に入ってきた


『…?』


「…君が江藤みのりさんかい?」


『あ、はい…』


…この人って秀徳バスケ部の監督じゃ…


私は粉を振るう手を一旦止めた


「キミは帝光バスケ部を影から支えていたと、帝光の監督から聞いたんだが、本当か?」


そう聞かれ、私は苦笑して返す


『…支えるなんて、そんな凄いことはしていません。余ったお菓子などを差し入れしていただけで…』


「…私も一口良いかな?」


『あ、はい!』


監督さんに席にすわってもらい、冷蔵庫に入っていたフルーツゼリーを渡す


『はい、これです』


「ほう…」


秀徳の監督さんは、じっと見つめた後、食べた


『…』


私は無言で視線を反らした


「…実に素晴らしい」


『…え?』


思いがけない言葉に、私は驚く


「さすが帝光中にいた奴らは違うな」


というと、監督は言う


「また、今度はうちのバスケ部のために差し入れを作ってくれないか」


『え?それはいいですけど…』


「よし、なら決まりだ。これからよろしく頼む」


『は、はい…』


ー…

そんなこんなで、高校でもバスケ部に差し入れを作ることになったのだったー…






新生活

(まさか、ここでも差し入れを作ることになるとは…)

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