「……さて、帰りますか」


無言で三人で食事をした後、高尾くんが時計を見て口を開ける


『う、うん、そうだね…もうこんな時間だし』


「江藤さん、家まで送ってくからちょい待ってて」


『え!?そ、そんなこといいのに…』


「いーからいーから!」


そう言ってトレーを片付けにいく高尾くん


緑間くんの分も片付けてあげているところ、高尾くんらしくて優しいんだなと思う


「…顔が緩んでいるのだよ」


『えっ!?』


緑間くんに言われ思わず両手で顔を隠す


「…フン。全く、分かりやすいやつなのだよ」


『す、すみません…』


そこへ、高尾くんが帰ってくる


「おーい、ただいま〜。…って、あれ?江藤さん顔赤くない?」


『えっ!な、なんでもないよ!』


「そうかぁ?…まあいっか、とにかく帰ろうぜ!」


『う、うん!…あ、緑間くんはどうするの?』


「俺は帰るのだよ」


私が問いかけ緑間くんが答えると


「…ぶふっ、ほんっとにマイペースだよなぁ」


高尾くんが楽しそうに笑う


「笑うな!」


「これで笑わないとか無理っしょ!」


緑間くんに咎められながらも、高尾くんは笑い続けている


『ま、まぁまぁ…』


と高尾くんの背中をさすると、彼からお礼が返ってくる


「…っ、はぁー!わりぃわりぃ、あんがとな!」


『い、いえ…』


高尾くんが持ち直したので、私も背中を擦るのをやめる


『…高尾くん、楽しそうだね』


と微笑みかけると、高尾くんは笑う


「だーって、こんな面白い奴めったに居ねーじゃん!」


『…ふふ、そっか!』


それだけ緑間くんのことを大事に思ってくれている高尾くんが、スゴいと思った


「俺はもう帰るのだよ」


「おー、じゃあなー」


緑間くんは歩いて帰っていく


「…さ、真ちゃんも帰ったことだし、俺たちも帰ろうぜ」


『うん、そうだね』


二人ならんで帰路につく


疎らに二人で会話しながら帰宅すると、あっという間に私の家に着いた


「…お、ここか?」


『うん、そう。ここまで送ってくれてありがとうね!』


「これくらいトーゼンだって!…んじゃ、じゃあな!」


『う、うん!また明日ね!』


そう言って、私たちは別れたのだった 





帰路につく

(少しでも高尾くんの力になれてたらいいな)

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