入学式が終わったので、みんなで教室に向かうことになった
教室に着くと、みんなどの席に座るかでざわざわとし始める
私は、余った席で良いや…と思って教室の壁に背を預けて立ち、みんなが座るのを待っていた
すると…
「なぁなぁ、キミ、座んないの?」
『…えっ』
突然話しかけられて、顔を上げれば高尾だった…
私は緊張で苦笑しながら余った席で良いことを伝える
『…私は、余った席で良いかなーって…』
そう伝えると、彼はきょとんとした顔になってからたずねてきた
「んじゃあどこでも良いってこと?」
『う、うん…』
「じゃあ、こっちこっち」
高尾に手招きされて、一体これはなんのフラグ!?私死ぬの!?なんて内心思いながら着いていくと
「はい、ここね」
と、高尾は笑顔で私の肩に手を置きストンと座らせた
「俺のとーなーり。お隣さん同士よろしくな!」
そう微笑まれてしまえば、私はなにも言えず
『うっ、うん、よろしくね…』
と苦笑いで答えたのだった…
〜教室にて、初めてのHR〜
「おらー、席つけー」
その声で、みんなはバラバラと空いた席に座る
「俺はこの1-2の担任、鈴木だ。担当科目は英語、よろしくな」
先生がそう言うと、まばらに拍手が起きる
「さて、俺の自己紹介も終わったところで、次はお前達の番だ。えっと…最前列の左右端っこのの席の奴でじゃんけんしろ。勝った方から自己紹介なー」
じゃんけんの結果、最前列左端の男子から自己紹介になった
私と高尾の席は、高尾が左端の窓際、私はその隣だから、序盤に自己紹介することになるだろう
…
「はい、次。黒髪のお前」
「うーっす!高尾和成でっす!俺バスケ部入るつもりなんで!よろしく〜」
笑顔で自己紹介した高尾に、女子の殆どが頬を染める
…格好いいものな…
「次、高尾の隣の女子!」
『あ、はい、江藤みのりです。家事全般が得意で、料理が好きなので、調理部に入ろうと思っています。よろしくお願いします』
高尾のノリでつい、自分も部活まで言ってしまった…
そして、最後の方、緑間の自己紹介があった
「緑間真太郎です。よろしくお願いします」
それだけ言うと席に着いた彼
教室はざわつく
「…ふーん、あいつマイペースなのな」
そんな高尾の呟きが聞こえ、思わず苦笑してしまった
第一印象は大切に
(第一印象って大事だよね)
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