ランキング戦でのおはなし


 
 
「ねぇねぇ財前ってさ笑うんだね」
 
いきなり声をかけてきた知らん女。
かったるいから適当にうなずいとく
 
「ねぇ!笑ったほうがいいと思うよ!
 なんか印象よくなる!」
こいつ・・・喧嘩うっとんか。。
 
「うざい、
 そんなんお前にいわれたないわ」
「ほらっ、そういう態度がよくないの!」
 
「てかお前誰?」
 
すると、めっちゃびっくりして
ため息ついた。
なんやねん、こいつ。
 
「はぁ、なんでクラスメートの名前も知らないかなぁ・・・
 謙子だよ!それくらい覚えて!」
「・・・しゃーないわ、女興味ないねんもん」
「私が女で初めて名前覚えた?
 やった!私、財前の一番だね!」
 
怒ったり、ため息ついたり、喜んだり
なんた喜怒哀楽激しいやつなんやろ。
初めはそう思った。
 
 
それから謙子はことあるごとに
オレんとこにきた。
 
体育見てたよ!かっこよかったね
とか
さっき寝てたでしょ、
とか
他愛無い話なんやけど結構楽しかった。
やからオレは期待しとった。
自惚れとった。
謙子はオレのことスキなんやって・・・
 
 
 
「光!今日確か校内ランキング戦だよね?
 見に行くから!」
「おぅ、」
今日は校内ランキング戦。
初戦は謙也さんとやった。
「け、謙也先輩となんだよね?」
 
なんとなくいつもと様子がおかしいけど
そこまで気にならんかったから
そのまま頷いてコートに向かった。
 

 
「おい!財前!初戦負けへんでー!」
コートにつくと
もうはよから準備万端な謙也さんがおった
「・・・オレかて負けませんよ」
なんてったって今日は謙子がくるから・・・
負けとる姿なんて見せられへん。
 
部員みんなが揃って
オサムちゃんがきてランキング戦がはじまった。
コートにはいって辺りを見回す
すると、、、おった。謙子が。
謙子もこっちに気付いて手を振ってくれた。
 
・・・謙也さんに振っているとも知らずに。
 
 
 
前半はオレのほうがおしとった
やけど・・・目が疲れてきた。
謙也さん、動くのだけはめっちゃ早いから
目で追っかけるのが大変や。
端っこにうっても絶対かえしてきよる。
・・・でも、負けへん
 
あと、あと1ゲーム。
1ゲームでオレが勝つ。
サーブをしようとしたその時やった。
 
「け、謙也先輩!!がんばって!」
 
 
 
コート中に響き渡った声、
謙子やった。
 
「勝たなきゃ、またキスしてあげないよ!」
笑いがおこる。

でもオレは
笑えない。
 
・・・は?
どういうことや、キス?
・・・・・・。そーゆーこと。
謙子は謙也さんに近づくために・・・
 
 
オレに近づいたんや。
 
 
 
 
もうそこからはどうでもよくなった。
謙也先輩に勝ちをゆずったった・・・謙子も。
 
「ゲームウォンバイ忍足!
 7ゲームストゥ6」
 
 
 
 
 
「・・・おい財前、後半どしたんや
 なんかあったんか?」
あからさまにオレの気持ちがなくなったことを感じて
謙也さんが終わった後にゆうてきた。
「うっさいっす、はよ忍足んとこいってきったらどうっすか」
 
多分めっちゃ拗ねとったんやと思う。
ほしたら謙也さんがめっちゃ笑いだした
 
 
「・・・なんなんすか」
「・・・っははは!!なんや財前お前かわいいな!」
「・・・殴りますよ。」
「こんな簡単にひっかかるとはおもわんかったわ!」
「・・・・・・・・・は?」
 
謙也さんの言葉を聞いて
謙子がはいってきた。
 
 
「なんでおんねん」
「謙也先輩ありがとうございました!」
「おう!んじゃまたなぁ!」
「はい!」
 
 
・・・状況が、、まったくよめん。
 
「ごめんね、光。
 私ね・・・光の感情とか全然わかんなくて
 利用してみちゃったの」
「・・・」
「段々仲良くなってるのは感じてたけど
 その仲いのは私しか思ってないんじゃないかって思って
 ・・・ごめんね」

「・・・そうやったんか、、
 オレ感情とかわかりにくいから・・・やな
 すまん、な」
「う、ううん」
 
「・・・」
 
 
 
 
「あの、ね」
「ん」
「それ以上の感情は・・・ない、かな・・・」
 
ずっと下にあった目線を
謙子に向ける。
タコみたいに赤くそまっとって
オレもなんでか恥ずかしくなった。
 
「あっ、うん。なんでもない!
 今のなし!んじゃまだ試合あるよね?
 がんばって!」
 
恥ずかしくなってどっかいきそうになった
謙子の手をとった。
 
「待って、・・・ほしい」
「え?」
「多分・・・オレすきやから、謙子のこと」
「・・・」
「夏の試合終わったら
 覚悟きめてゆうしそれまでまっといて」
「・・・うん!」
 
 
 
 
少し肌寒くなった9月。
学校では手をつなぐオレの姿があった
 
 
 
----->
(てか謙也さんとどんな関係なん?)
(あ、謙也先輩?
 お母さんが友達なの!よく遊んだりとかするよ!)
(は?謙也さんころす)
 




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