走りまくるおはなし


 
最近授業で暇なとき校庭を見る。
 
どこのクラスかはわからないが
走っている姿をよくみた。
その中で一際速くてぶっちぎりの人に注目する。
ゴールした時の表情が清々しくて
見るのがスキやった。
 
 
ある日、一人で屋上へ行った。
したら、、部長と謙也さんがおった。
 
「おー財前!一緒に飯食うか?」
「・・・なんでおるんすか」
「それこっちの台詞やわ!
 オレら毎日ここでくうてんのに」
「謙也さんに言うてないっすわ・・・」
うっさい謙也さんは無視して、
オレが一番気になったのは
 
部長と謙也さんの間にすわっとる
・・・あの女の人や。
いい表情ではしっとる・・・あの。
 
「・・・財前。こいつのことしっとんか?」
「え?・・・いや、しりませんけど。」
 
「こいつはー・・・」
「謙子でーす!天才財前くんだよね?
 よろしくーっ!」
 
「・・・よろしくっす」
「ごめんなー謙子。こいつ愛想なくてなー」
なんかウザかったから謙也さんを殴って
オレもその輪に入らせてもろた。
4人での会話が楽しすぎて
時間はあっちゅーまにたってった。
 
オレはその日を境に
雨の日以外は絶対屋上に行くようにした。
それと同時に
どんどん謙子先輩への想いも膨らんでいった。
 
 
 
 
「私・・・財前くんのこと・・・」
「すまん・・・オレ、好きな人おるから」
「あ・・・ごめん・・・ありっ・・・がと」
オレは同じクラスの人に中庭に呼び出されて告白された。
ひどいが、この告白してくれたのが
先輩やったらよかったのに・・・と思った。
 
教室に帰ろうとすると
後ろの茂みからガサッと音がしてふりかえる。
 
 

「・・・先輩!?」
「あは・・・ごめん。
 盗み聞き・・・する気はなかったんだけど」
「・・・聞いてたんすか?」
「・・・うん
 ・・・財前くん、好きな人いるんだね」
「・・・」
「そ、相談してくれればよかったのに!
 3年だったら私、応援するよ!」
 
本気でそんなことを言っているのかムカついたが
両想いじゃないのでそういうことは言えない。
逆に悲しくなる。
ここまで気になっていられてないと落ち込む。
 
「・・・じゃ、おれ帰りますんで」
「え、あっ・・・ばいばい」
 
 
 
 
1分くらい歩いたとき
後ろで走っている音がして振り返る。
「ざいぜっ・・・」
「先輩!・・・どうしたんすか」
「・・・はぁはぁ、んーーーーーーー
 私物事はっきりいわなきゃきがすまないタイプだから
 もう言うね」
 
何かわからないまま
走ってこられて何かを言うといっている。
「私ね、財前くんのことスキなの!
 財前くんが私を知らないときから、
 てか入学んときから!一目惚れして
 謙也くんとか白石くんとかに
 なんとかして喋れるように頼んだの!
 ごめんね、きもくて!でももう隠すの無理!
 ・・・よし、終わり。」
 
・・・終わったらしい。
・・・って、え?
先輩が・・・オレを?
 
「財前くんに好きな人いるって知ったときね
 すっごい嫌だったけど
 応援しなきゃっておもったの
 だから応援するね!がんばって成就させるんだよ!」
「ちょ」
 
先輩は自慢な足を使って
すごいスピードで逃げていく。
オレはがんばってそれを追う。
 
「せんっぱい!」
「・・・ん?」
「んじゃないっすわ、
 オレ今成就したんすわ」
「・・・?」
「・・・先輩とオレの気持ち一緒やったってことっすわ」
「・・・まじで?」
「・・・はい」
 
「・・・はぁ、先輩走りすぎっすわ、
 オレ疲れた。」
「あーごめんごめん、私走るのはやいから」
「自分でいわんといてください」
「ははっ、ごめん素直で」
 
お互いの顔を見て笑い合って
なんかしらんけど
3−2へ行った。
 
「ちょぉぉぉぉおおお!
 財前!なんやその手は!」
「やるなー財前」
「謙也さんうっさいっす、
 謙子とらんといてくださいよー、
 あ、部長も喋りかけるの禁止ですから」
「保証できんわー」
「ああああああああ・・・」
 
「んじゃ、先輩。また放課後」
「うん!ばいばい!」
 
「財前くん!
 私ね財前くんの走ってるとこ大好きなんだ!」
「・・・おれ・・・
 ・・・。やめてください。んじゃ」
 


おれも・・・と言おうとしたが
また今後にとっておくことにした。



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