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「何だ・・・?」

不機嫌丸出しでそう言えば、彼は尚更笑みを深くした。

スッと上着の内ポケットから一通の便箋を取り出す。

金の刺繍の入った豪華な封筒だった。

「・・・・・・王印。さっそくか」

「―――ご名答。女王陛下からだよ。」

「嫌な予感しかしない・・・」

シェイナは明らかに嫌そうな顔をする。

「そう言わずにさ・・・僕の立場も少しは考えてよね?」

「なら私達をさっさと差し出せばいいだろう?」

一瞬にしてその場の空気が凍りつく。

「・・・またそんな事言って」

「別に私は困らない。一人でだってあの人数を仕留める自信はあるからな」

クレークは我知らず溜息をつく。

「怒りの矛先を僕に切り替えないでくれる?」

八つ当たりをしてくる彼女をいさめるようにクレークは言う。

女王陛下の話をするといつもこうだ。

「・・・・・・そうだな。少し銃のため仕打ちをしてくる」

ガタンと席を立って壁にかけてある上着を手に取るとシェイナはそのまま部屋を出て行った。

手元にあるケーキにフォークを刺しながらブレッドの方を見てクレークは薄く微笑む。

「追いかけたら?」

「無論だ」

「・・・・・・シェイナもシェイナだけど、君のその大切なものを護るためなら何もいとわない様な所も危ないよね。忠誠心はかうけどさ・・・」

「・・・・・・好きに言っているがいい」

椅子の背にかけてあった軍服のコートを手に取るとブレッドもまた部屋を出て行った。

必然と室内にはクレークとアシルだけが残った。

「アシルー。そこのケーキ一緒に食べよっか?」

「うん!!」






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