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今日も今日とて涙を飲んで学校へ行く。
はやくこい休日よ…!!
はやく私にイタちゃんといちゃいちゃできる休日を…!!
いつものようになまえお姉ちゃんが学校に行く。
お弁当はいつも完食して帰ってきてくれるし、ぼく、嬉しいんだ。
でも、いつも一緒に入れないのが、寂しいなぁ…。
…ううん。
帰ってきたら沢山構ってくれるからそんな我が儘言っちゃいけないんだ。
でも、やっぱり寂しいなぁ。
「イタちゃん?寂しいの?」
「お母さん」
お茶の時間にぼくはなんてことを!
あわあわ慌てるぼくのあたまをな撫でてお母さんは言いました。
「大丈夫よ。お母さんはね、イタちゃんになまえのお婿さんになってほしいなって思ってるの」
「…えぇ?!」
「ふふ、イタちゃんにはまだ早かったしら?でも、イタちゃん、なまえのこと、好きでしょう?」
「う、あ…はい…」
なまえお姉ちゃんのことは好き。
…この間、ゴーグルの人とか、眼帯の人に触らせたくないくらい。
…でも、ぼくはヴェネチアで、ここは僕の住む世界じゃないから…。
「ふふ、そう考え込まないで。
いいのよ。あの子が大人になったときも好きでいてくれればね」
「…そういうものですか?」
「そういうものよ。ふふ。あ、イタちゃん、そろそろお昼寝しましょうか」
「あ、はい!」
そういうものなのかな?
まぁ、今はもう寝ちゃおう…
なまえお姉ちゃん、今日もいつもどおり帰ってくるのかな?
「ただいまー」
「お帰りなさい!」
「ただいまイタちゃん!」
目が覚めたら丁度なまえお姉ちゃんの自転車が止まる音がしたので、慌てて玄関へと向かえば、丁度入ってきたところだった。
えと、今言うぞ!
「ぼく、なまえお姉ちゃんのお婿さんになるの!」
「…フラグキタコレ!」
??
良くわからないことを言われてはぐらかされちゃった…。
でも、でも諦めないもんね!!
その夜のスカイプにて。
「ちょ、姫子姫子きいてよ!」
[ちょwおまwwどうしたww]
「いつもお弁当を作ってくれる子、いま家に居候してるって言ったじゃんか!
その子がな!その子がな!」
[おwちwつwけw]
「私のお婿さんになるって言ってくれたんだ!!」
[それなんてフラグww]
「だよなぁ…しかし…ちょっと絆されそうになった私やばい。
食満先輩になっちゃうのかなぁ?!ねぇ?!」
[食満先輩に謝れww]
「…いやでも…10歳下でも…いいよね」
[病院が来い]
自重しろ姉貴。
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