忍少年と碧血丹心 009

◇ ◇ ◇

開いた口が塞がらない―――その言葉が今の忍にはぴったりだった。

「ぁん…っ!!あんっぁああああ”ぁあぁあっ!!」
「―――ほらほら空ちゃんもっとがんばってよー」

立ち並んだ倉庫郡の一つ―――外装からして既に使われていない巨大倉庫の中は、煌びやかな別世界が広がっていた。
カウンターと客席。少し離れたところには黒に濡れたグランドピアノまである。
最初こそ寂しい印象が強かったが、上質なバーでも連想しそうなそこには、多くの若い男達が集まっていた。
それも曹司しか通えないとされる月桂学園の制服があちらこちら。
私服でいる者も、モデルさながらのスタイルを生かして、それぞれが己に合った着こなしをしている。
男ばかりでなく紅一点の女も混ざっていて、よく見れば中性的な顔をした可愛らしい男子も加わっているようだ。

見渡すばかり、どうも顔の作りが良い者ばかり。
それだけでなく、その仕草や身につけている物から育ちの良さを伺わせる。
まるで厳選されて集まった貴族の社交場みたいだ。

テーブルに置かれたグラスには酒が注がれていて、誰もが今、アルコールが体に廻っていい気分なのだろう。
笑みを絶やさず、上機嫌に雑談を交わしている。
しかし、視線をずらせばここがいかに歪んだ場所なのかを忍につきつけた。

何かを叩きつけるような音。歓喜の声や呷る口笛。
周りには傍観者が周りのソファや椅子に好きな格好で寛ぎ、熱気立った「舞台」を心底おもしろそうに観覧している。

「は…ぁ…っ!!あっ!あんっ!!ああ”っ!!」

視界の右端のソファに両手をつき、尻をあげて双丘の穴に男の『それ』を激しく挿し抜きされている。
泣き叫びながら喉を震わすのはまだ女性として成熟しきっていない少女だった。

それは、忍を硬直させるには十分な光景だった。

亜麻色に染まった長髪を振り回し、悩ましく揺れる腰の動き―――セーラー服をDカップはありそうな乳房に引っ掛け、大きく揺らす姿に、男達は更に興奮している。
持ち上げられたスカートとセーラー服は、忍と同じ中学校のもので、歓喜で涙を濡らす彼女が、学校内で注目の的となっているテニス部の主将だと知った。

しかも彼女は忍と二年間も同じクラスである。

百合の花が似合う清楚な感じが売りとして多くの男性の羨望を集めているらしい事を聞いた事があった。

だが、今はどうだろうか?

今やその少女には玄人娼婦のような怪しげな官能さがあり、可憐とはまったく無縁の、まるで甘い毒を含んだ怪しげな花のようだ。

「やぁああああ…!!」

甲高い悲鳴というよりも喘ぎ声が聞こえたかと思うと、周りからは拍手が沸き起こる。
白い液体で汚れていた太ももから、新たな液が穴からとろりと漏れ出した。
しかし滝のような量は少女の白い太ももを伝って、無機質の冷たいコンクリートに水溜りを作って広がった。
少女は今だ男の肉棒を突っ込まれたまま尻を天高く突き上げて、がくがくと痙攣して打ち震えている。
涙に濡れたまま、辛そうに顔を歪めるその容姿は悦喜に濡れて官能的だ。
ふいに、周りで傍観していた男達が口笛を一回、ひゅうと鳴らして、少女を絶賛した。

「空ちゃんすごいねー。これで4回目だよー」
「おい、シュウ。相当締め付けられて、お前のそこももうあぶねぇんじゃねぇ?交代しようか?」

「―――はん。誰にそれ言ってるんだよ。俺が先に根を上げるだなんてありえねぇだろう?俺の息子はまだいけるぞ」
「空ちゃーん?大丈夫そー?罰ゲームは5回。がんばれるー?」
「何言ってるんだよ。空ちゃんのマゾっ気、かなちゃんも知ってるだろう?最高記録がその5回だぜ?それにこれは罰ゲームなんだから、聞いちゃ駄目でしょう…」

「聞いただけだもーん」
「まぁ兎に角あと1回だし…」

―――あと一回あと一回あと一回…

『あと一回』コールが手拍子と共に始まったかと思うと、『空』と呼ばれた少女の細い腰を掴み、癖のついた金髪の男―――シュウは自慢の肉棒を再び揺り動かした。
それだけで熱を上げている少女はその動きに合わせ、いい所を己で見つけようと腰を揺らすのである。

本来―――排泄として使うその器を使って、だ。


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