3:守
母の元へと駆けつけると、母はボロボロになりながら甲板の端へと麦藁帽子を被った男に追い込まれていた。
甲板には麦わらの男以外にオレンジ髪の女がいた。
……このままでは危ない。
母が海に落ちてしまうかもしれない。
母は悪魔の実の能力者なので水に落ちたら溺れてしまう。
私は、母へと駆け寄った。
「お母様!」
私は母へと駆け寄って母の前へと立ち、麦わらの男に刀を抜いて対峙した。
「お母様、どうかお逃げください!ここは私が時間を稼ぎますから」
私は母に振り向かずに、麦わらたちを睨みつけてそう言った。
彼があの緑髪の船長だということは知っている。
なら、あの男にも勝てない私が船長である彼に勝てるとは思わなかった。
だから、私は少しでも時間を稼ごうと思った。
「逃げるってどこへ?」
どう母を逃がそうと思案していると、突然。
母の低い声が甲板に響いたとともに、私は後ろにいた母に首を掴まれ宙へと持ち上げられた。
私はその苦しさに動揺した。
母は何をしているのだ?
「お、かあさま?」
「麦わらども近寄るんじゃないよ!こいつは島の長の孫だ!」
母は麦わらたちへと声高に叫んだ。
島長は私たち海賊の敵だ。
母が何を言っているのか理解できず、目の前にいるはずの母の声が遠くに聞こえた。
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