2:会(ゾロside)
(ゾロ視点)
毎度のごとく、ルフィは島長の恩を受けて島に蔓延る海賊を倒す為に海賊へと乗り込んだ。
おれはそれに従い、船内を単独で移動していると(道に迷ったワケじゃねェ)1人のおそらくうちの航海士よりも若いであろう小柄の男がおれの行く道を塞いだ。
おれは立ち止まり刀を抜くと、男はおれを鋭く睨むようにして見てきた。
ずいぶんと綺麗な顔をした男だ。
こいつも海賊の仲間だろう。
おれは男の腰にある刀を見て思わず笑った。
剣士と遭遇するとはツいている。
「よう、テメェは刀使いか?」
そう問いかけると男は顔を顰めたまま頷く。
「ああ、一応刀をメインに使っている」
男は腰に差した刀を抜いた。細身で一目でよく手入れされていることが分かる。
なるほど、悪くねえ刀だ。
それにおれは嬉しくて笑う。
「そうか。テメェの腕が立つのかどうか、楽しみだ。」
そう褒めると男は嫌そうに顔を歪めた。
おれ達は刀で斬り合った。
男の腕はなかなか良い。
力はおれのほうがあるが、それが分かっているのだろう。
まるでおれの力を流すようにして、懐へと入ろうとする。
「悪くねえな。」
「・・・・・」
男はおれの言葉に一言も返さなかった。
寡黙な男らしい。
それからなかなか決定打を入れられずに男としばらく斬り合っていると、男は突然表情を変えた。
・・・なんだ?
その違和感に警戒し少し攻撃の手を緩め距離をとると。
男はその隙をつきおれに背を向け、建物の奥へと走りだした。
「剣士が相手に背を向けて逃げるつもりか!」
おれは男にそう叫ぶが、男は振り返ることも無く。
男は背を向けると急いでいるように走り去った。
「クソっ!」
おれは男の後を追う。
それにしても、なんてスピードだあの男。
打ち合っていた時の比ではないくらいに早い。
・・・手加減してやがったのか?あの野郎。
おれは追いかけるスピードを上げた。
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