雨模様 | ナノ
第25話

プレートを集め終えてからは誰にも襲われることなく無事に四次試験を通過した。ゴン、クラピカ、レオリオも無事に通過していて一安心する。遠くの方に光り輝く頭が見えたからハンゾーも通過したのだろう。次が最終試験。もうすぐ終わっちゃうのか…なんか、寂しいな。楽しかったな。

最終試験の前にハンター協会の会長と面談をしなければならないらしい。応接室に呼び出された私は聞かれた質問につっかえながら答えていった。志望理由は義父のため。注目している人と戦いたくない人は99番と答えた。あまり話したくない空気を感じ取ってくれたのかそれ以上は聞かれず、頭を下げて応接室を後にした。緊張してめちゃくちゃつっかえてしまったけど不愉快な思いをさせなかっただろうか。

「げっ!お前初っぱなヒソカじゃん!」

「…本当だ」

最終試験は負け残りのトーナメント形式で行われるらしい。キルアに言われて見てみると私の初戦の相手はヒソカだった。ちらりとヒソカを盗み見るとばっちり目があってしまう。トランプをひらひら振りながら微笑まれて慌てて目を逸らした。

「あんま無茶すんじゃねーぞ。無理だと思ったら直ぐに降参しろよ。負けても次があるんだからよ」

「あ…ありがとう、レオリオ。なるべく…頑張りたいと…思って…る」

対戦表によるとヒソカに負けた場合、クラピカと戦わないとならない組み合わせになっていた。なるべくならクラピカとの戦いは避けたかった。

あっ、でも万が一私がヒソカに勝ってしまったらその時はクラピカがヒソカと戦わないといけなくなっちゃうのか。クラピカのことを全く考えていなかった。クラピカ的には私と当たる方が勝ち易くていいのかもしれない。

「私のことは気にしなくていい。対戦表を見たときから覚悟は出来ている。…とはいえ…出来ることならハルとは戦いたくないがな…」

「…ん、わかった。頑張る」

心の準備はできた、と思う。試験官に名前を呼ばれたので「行ってきます」と4人に向かって頭を下げた。クラピカは微笑みレオリオとゴンは声援を送ってくれたけどキルアだけはこちらを見てもいなくて、それを寂しいと思ってしまう自分の図々しさが恥ずかしかった。




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